Blue Sky Complex

西暦2006年7月。
世界中が驚愕した「ジダンド・インパクト」から五日。
第三新東京市から東方約20kmの某市某所。

「強羅観測所より入電！目標は最終防衛線を突破し、猶も東進中」
「総力戦だ！厚木と入間も全部上げろ！！」
「出し惜しみはナシだ！なんとしても目標をつぶせ！」
「目標の解析急げ！！」


「出ました！！パターン青、湿度です！！」

「主モニターに回せ」



「目標を肉眼で確認！グラス表面におびただしい数で実体化しています！！」

「状況は？」
「国連軍の扇風砲大隊が猶も交戦中！」



「やはり、MT（moist)フィールドか」
「ああ、湿度相手に通常の兵器では役に立たんよ」

･･･

「その後、目標は？」
「強風のために確認できません」
「あの回転数だ。ケリはついている」
「･･･センサー戻ります！」
「送風地に高湿度反応！！」
「何だと！！」

「我々の切り札が･･･」
「なんてことだ･･･化け物め！！」

暴風域と化した部屋にとどまる湿度。
一向に下がらない不快指数･･･。
ここに至って議会は、現場指揮権を特別組織「寝る府（ネルフ）」に移行することを決定。

･･･

「今から本作戦の指揮権は君に移った」
「お手並みを見せてもらおう」
「われわれの所有する兵器では、目標に対し、有効な手段がないことは認めよう」
「だが君なら勝てるのかね？」

「そのための、寝る府です」

･･･

「国連軍はお手上げか。どうするつもりだ？」
「初号機を起動させる」
「初号機をか？しかし、リモコンの電池がないぞ」
「問題ない。使わなくなったリモコンから引き抜く」

･･･


「アンビリカルケーブル接続確認！」


「エントリープラグ挿入！！」


「夏用箱型決戦兵器エアコンゲリオン初号機！リフト・オフ！！」

･･･

「モード『ドライ』にて起動中」
「時計シンクロ率に異常発生。12:00で点滅しています！」
「かまわん。今は動けばそれでいい」

･･･　･･･　･･･

「状況は？」
「目標は完全に沈黙。快適に眠れそうです」


「ふらーいみとぅざむーん♪えんれみぷれいあまんざすたー♪」



次回、エアコンゲリオン最終話。
「世界の中心でアイス喰ったけものだって人間だもの（byみつお）」
結局どっちなんだか分からないけれど、この次もサービス、サービス！