まるごと一夜 VENTO AZUL寺島さんと、アバンギャルドの前で記念撮影! 一風呂浴びたさっぱりした気分で(広島の広大な郊外型スーパー銭湯と違い5階立てのビルになっているあたり、さすが東京です。設備は凄く充実、サウナだけでも3種類あるのは驚いた。) いざ、メグに。 その前に、イベントを手伝ってもらえるオラシオさんと、吉祥寺駅で待ち合わせ。 このあたりも事はオラシオさんのブログに詳しいので、ご参照下さい。 打ち合わせといってもお互いの事や世間話に終始して、ほとんどすることがなかったので、早めにメグに。 メグの新井店長とは、平井庸一さんのことで盛り上がる。友達だそうで、宜しくお伝え下さいと伝える。 ちなみに、私が今、最も注目する音楽性をもつギタリストです。 ショップでいつも買って頂いているお客様が嬉しいことに数名応援に駆けつけてくれ、外で歓談。 ネットでの取引から、実際こうして直にお会いすることは、また格別の喜びがあります。 皆さん、ジャズに対する思いは熱く、話していて感動することしきり。 イベントは6時半からスタート。 花村さんが、入り口のところでレジュメの配布、案内係りを務めてくださる。 「メグのホームページ」の管理人、平井さんにユーモアを交えたご紹介をいただいて、イベントの始まり、始まり! 以下が当日のレジュメです。(実は1週間以上前からこのブログの隠しページにずっとアップしていたのだけど、事前にどなたか見たかたは、いらっしゃるかな?) 第1部 VENTO AZUL ができるまで Nils Lindberg's Septet/SAX APPEAL テーマ曲 ・CURBITS(5:00) マリガンよりマリガンらしいラス・ガリン、コニッツよりコニッツらしいロルフ・ビルベルグのユニゾンの素晴らしさ、ウエストコーストではない北欧の短い夏の太陽の光の様なはつらつとしながらもある種の憂いを含んだアドリブの応酬が随所にききとれる。 全曲聴き物だが、なかでも1曲目の「CURBITS」が白眉。 先輩のHさんは入手以来研究会のテーマ曲でいつもこれを流していたのが、懐かしい。 当時のスウェーデンのジャズシーンのレベルの高さが一聴してわかる作品です。 Eduardo Gudin & Noticias Dum Brasil ・NOBRE SENTIMENTO(3:48) ・JONGO TRIO (2:42) 私のブラジル音楽再訪は、この作品とレイラ・ピニャイロとの出会いから始まりました。 独創的でメロディアスな楽曲と、そよ風のように爽やかなめくるめくコーラスにたちまち魅了。 今まで千回以上聴いているけど飽きません。 素晴しいを千回言っても足りません。 Allen Mezquida/A Good Thing ・RIP VAN WINKLE(9:15) 理想的な音色にまず心を奪われる。 倍音成分が非常に豊でありながら、音にツヤと愁いがあり、情感に飛んでいるにもかかわらずハードボイルドで芯が太く程よいストレングスがある。 決して大きな音で吹いているわけでもないのに、抜群の存在感と説得力がある。 もっと注目されてよいサックス奏者だと思う。 大森明 ミーツ エルビン・ジョーンズ/Trust in Blue ・MINGUS MOOD(7:20) 日本人では、サダオさんは別格としてこの人が好き。 1982年の夏、社会にでた最初の夏「合歓JAZZ INN」に残念ながら行けなかった。 決していい音とはいえないAM電波にのって聴こえてきた大森明のアルトの音から実際日本のホーンプレイヤーとは思えない、ニューヨークの音が聴こえたのだ。 田中武久トリオ/I Have Been Born ・Witched(6:55) 今から約四半世紀前のこと。 そのJAZZクラブのピアニストは気さくな人だった。 アフロヘアーで小柄だけれど、細身の体型で精悍な感じのする、ピアニストというよりスポーツマン、役者みたいな印象をうけた。 ピアニストの名前は田中武久。 初リーダーアルバムをだして間もない頃で、出来のよさは行きつけのJAZZ喫茶「JOKE」で確認済みであった。 当時のレギュラートリオにはドラムスの椅子に飛ぶ鳥落す勢いの東原力哉が在籍しており、トリオが奏でる音楽はパワーに満ち溢れ、一体感があり、今聴いても素晴らしい演奏だったと思う。 SIEGFRIED KESSLER TRIO featuring ARCHIE SHEPP/Invitation ・Invitation(10:50) 1990年の大晦日だったと思う。 JR三ノ宮駅の北出口の道を隔てて少し東よりにその小さなJAZZレコード専門店はあった。その名も「JR」。 店にはいると私よりすこし若そうなすこし小太りのいかにもジャズが好きで好きでたまらないといった風体の経営者とおもえる若者が一人。 他に後から常連客と思しき人がはいってきた。 「カタン、コトン」いわさないように気をつけながらエサ箱をあさる。 壁面にびっちりと入れられた背表紙の文字を注意深く追っていく。 真冬の時期だというのに暖房のせいもあるのか、2時間も集中してレコードをチェックしていると汗がじわじわ湧き起ってくる。 なんだか無性に喉も渇いてきた。 そんなときだった。ライムグリーン色がベースにこわ持てのいかにもドイツ人といった顔でこちらをみているジャケットのレコードを手にしたのは・・・ SIEGFRIED KESSLER TRIO/INVITATION 知らんナァ・・・でもインビテ-ションは大好きな曲やしなぁ・・・ 少し朦朧となってきた頭でジャケットを眺めていると。少し下に少し小さい文字で featuring Archie Sheppと印字されているのに気がついた。 その瞬間、そのレコードを買うのは決まった。 ENZO RANDISI QUARTET/TEN YEARS AFTER ・Estate(6:30) その頃岡山のそのレコード屋はいつ行っても常に人が入っていて活気があった。店長のHさんは本当にJAZZを愛している方で、お客からいつも頼りにされていた 1992年の春先、なにげなく新着CDをチェックしていた中にSPLASC(H)の新作が何枚か入荷していた。購買意欲をまったくそそらないジャケット。 裏面にひっくり返さなかったらおそらく買っていなかったであろうこのCD。 とりわけ、ESTATEが目をひいた。その頃ESTATEに目がなかった。いや、今でも大好きな曲でこの曲がはいっているアルバムはついつい買ってしまう。 エンゾ・ランディシのVIBは端正でありながらスインギーで、べとつかない叙情性ももちあわせた味のあるプレイで滋味深い。 JERRY BERGONZI/JERRY ON RED ・Dodo's Waltz(5:35) バーガンジーの魅力は、苦みばしったエグミ成分を含んだ音色でリズム面でバリエーションに富んだ奏法で常に男気溢れたプレイをしてくれるところ。 長い下積み時代に培った経験から、常に自身のオリジナリティーに富んだプレイを抑えることなしに様々なスタイルのミュージシャンに最もフィットした演奏を安定して繰り広げることのできるまさにプロ中のプロと言えるミュージシャンだと思う。 このアルバムではA面がジャズオリジナル、スタンダードで、B面が自身の作品やメンバーの曲中心の選曲となっている。 テナー一本で演奏に賭ける心意気が伝わってくる凛々しく爽やかさを感じさせる骨太の演奏に聴いていて直ぐに惚れこんだ。 俺は今、最高のジャズを聴いているんだと思わせる演奏と言ったらよいのか? BOB ROCKWELL/RECONSTRUCTION ・STRAIGHT ON(5:15) この頃のロックウェルは今ほど(いまでも?)有名じゃなかったが 実に素晴らしいプレイを繰りひろげていた。 1曲目、オリジナルのモード曲「STRAIGHT ON」から題名通りストレートに自分のフレーズを畳み込んでいくロックウェルのプレイにいきなり釘付け。 ロックウェルのテナーの音色は井上淑彦(宮坂高史クインテットに在籍していた80年代初頭)に良く似ていると思う。 音の芯がしっかりしていてその周りを柔らかなベルベットを巻きつけたような暖かくマイルドで柔らかな音色。 フレーズがいつも唄っていて、それでいながらフレーズの端々にハッとするような独創的な工夫が見受けられる。 ジャージーであることを大切にしていて、独りよがりなプレイは決してしない。常に音楽の進んでいく方向と自己のプレイの位置関係を図りながら、良い音楽を作り上げていくタイプのミュージシャンだと思う。 ピアノを加えた通常のカルテット編成でなくヴィブラフォンのカルテットなのが、思いのほか演奏をクールでスタイリッシュな感触に仕上げる効果を生み出している。 GEORGE BOHANON/BLUE PHASE ・LIMDA(5:33) 1990年に自費出版したものの様で、ライトハウスから通販で購入した。 トロンボーンカルテットでDSにはビリー・ヒギンズが、参加。 ボハノンの名前はナベサダの「カリフォルニア・シャワー」の中でデイブ・グルーシンが編成したブラスセクションの一員にはいっていたのが最初の記憶だったように思う。 このCDでは、オーソドックスな4ビート、バラードをオリジナルをまじえて暖かい音色で丁寧に吹いている印象を強くうける。 WALKIN,IF YOU COULD See ME NOW、LINDA, BLUE PHASEなどがとくに良い。 RENE URTREGER/SERENA ・Serena(11:38) 耳にした最初のジャズは「死刑台のエレベーター」、マイルスのトランペットだった。そのセッションでピアノを弾いていたのが、ルネ・ユルトルジュ。 そんな身近な一作なのだが、ルネ・ユルトルジュをピアニストとしてまともに認識したのは、この「SERENA」を聴いてからだと思う。 「死刑台」から実に31年経過した90年の録音。 ユルトルジュも既にフランスジャズ界の重鎮として自己のレーベル経営と演奏活動に精力を注ぎ込んでいた頃で、ベテランらしい安定したそしてジャズ的スリルにみち溢れたプレイが録音されている。 ただ、演奏より作曲である。正確にいうと2曲目「SERENA」である。 暮れなずむパリの石畳の舗道を歩いている。 群青色の空の一部には、まだわずかだがオレンジ色が残っている。 家路を急ぐ車のライトとは反対方向に歩を進める。 このまま真っ直ぐ進めば、凱旋門広場にでるはずだ。 さっき地下鉄のキオスクでかった煙草に火をつける。 普通の風景が映画のワンシーンになるパリの町並み。 そんな風景がイメージされるロマンとエスプリがきいた曲。「SERENA」。 ストリングスのイントロに導かれてルネのピアノが甘美にメロディーを撫でる。 テーマを2回、2回目はわずかに弾きかたに変化をつけているのが心憎い。 そこへ猛然と押し入ってくるのが、ファナティック男気スティーブ・グロスマン。 テナーからピアノ、ピアノからチェロのソロに受け継がれていく。 エレピの音色優しく最後のテーマを今度はグロスマンがジェントルに吹く。 ソニア・ローザ/SAMBA AMOUR BREAK TIME ・Te Quero Tanto(I Love You,So)(3:20) 大学2年の時にでてすぐに買った。 典型的な大野サウンドをバックにウィスパーボイスでしっかりした日本語の発音でとても丁寧に唄っている。 ソニアの歌はルパンでほとんどの人が無意識に耳にしていると思うが今まで自己名義のアルバムは4枚でており、これは79年録音の最後のアルバムのはず。 2年前「ルパン ザ サード」のアルバムで数曲参加したのは本当に嬉しかった。 まったく衰えていない声は健在ぶりを知らせてくれた。 どこかのレコード会社がリーダーアルバムをリリースしてくれないものだろうか。 最後から2曲目で息子とDUETしているがその子は現在DJとして活躍しているそう。 年に何度も取り出して聴くアルバムです。 学生時代にこういうジャズの喋りは、研究会で何十回と経験しているので、緊張したり言葉に詰まったりということは、ないのだけど、やはりはじめての場所、おまけに有名なメグ、寺島さんの前ということで、やや堅さがあったかもしれないです。 「メグの会」初代会長の和田さんが、すかさず、最初の休憩の時に「皆に、会話をふったらイイよ」とアドバイスしてくれる。 これで、てきめん、会場の一体感がでてきて、お客さんも増えてきていい雰囲気になりました。 第2部 新譜紹介 1.CROSS hart jazz experience 3000円 ・BOLIVIA(7:13) 2.JON RANEY/Waltz For Talia 2500円 ・Mood Elation(5:49) ・Before I Close Eyes(5:05) 3.Tom Schuman/NATURE 3000円 ・Moon Germs(4:30) 4.JUSTO ALMARIO/LOVE THY NEIGHBOR 3000円 ・Jubilation(4:40) 5.Vivian Lee/WHERE IS LOVE 3000円 ・Speak Low(6:55) 6.Joni Janak with Carl Fontana/The Wind 3000円 ・Cinnamon & Glove(3:29) 7.DERRICK GARDNER & The Jazz Prophets/Slim Goodie 2500円 ・曲名当てクイズ 8.Orbert Davis/PRIORITY 2800円 ・priority(6:57) 9.Northestern State University Jazz Ensemble special Guest Bobby Watson 2800円 ・Appointment in Milano(7:44) 10.Carsten Dahl Trio feat. Bob Rockwell/God Bless The Child 2800円→2600円 ・You And Night And The Music 11.Kasper Villaume Trio/Footprints 2800円→2600円 ・Theme From MASH 12.TERAESA VINSON/OPPOTUNITY PLEASE KNOCK 2900円 ・The Song Is You(3:52) 13.LM PAGANO/azalea 2900円 ・When In Rome(3:56) 14.CHRIS GLIK & FRIENS/TROPICAL JAZZ FOR THE SOUL, VOL.2 2800円 ・Please Come Back(4:56) ・Autumn Leaves (fade out) 今回のメグでのイベントで先行販売いたしました新着CD、もちろん通常販売いたします。お急ぎのお客さんはメールにてご連絡くださいませ! イベント風景、即売会、寺島さん6枚お買い上げ! 「辛口JAZZノート」にサインしてもらう。 この初版本は寺島さん本人も持っていないそうです。 「ボーカルは声で聴け。」深く、真理をついた言葉だと思います。 ずっと本で読んだり、日頃の言動にずっと注目している寺島ファンだから言うのではないのだけど、予想していたイメージ通りの方でした。 以下、思いつくまま箇条書き ・相手のことを思いやる社会人としての常識をもった気配りが出来る人。 (業界には、これが出来ない俺が俺がの人が多いと伝えきくし、名前が売れると、上からものを見たり、言ったりするのが人の常) ・きれい事だけで片付けない、物事の裏の部分にまで触れる深い洞察力を携えており、自分にマイナスのイメージのことでも、平気で触れる点 ・本音で語るナチュラルなところ、我々と同じ視点、立ち位置でジャズを語ってくれるところ。 ・あまやかしではない、暖かい視点で独自のジャズ観を確立しており、それを納得させるだけのバックボーンがある。 ・とにかく、人間として魅力がある。 イベントから2次会までの、生寺島さんに触れた約9時間の間の印象でした。 アーチー・シェップやジェリー・バーガンジィーの感想で 「俺はシェップやバーガンジィーは決して好きではないけれども、紹介する人のその音楽に対する思い入れや語る内容によって、音楽が膨らんで今日は凄く聴いていて良く聴こえる。」いうようなニュアンスの発言をいただきました。 社交辞令半分としても、こういう感想は、最大の賛辞を頂いたと思っているし、身にあまる光栄であります。 レジュメを端から端まで目を通してもらったようだし、今までの私のジャズ人生が間違っていなかったようで、単純に嬉しいと言っておこう。 そして、日付もとっくに変わった丑三つ時、メグから歩いて十数歩の中華料理屋の円卓で、話が「某ジャズ誌」になった時、寺島さんの眼鏡の奥の眼光が、きらっと光ったのを私は見逃さなかった。 その口調は誰よりも熱い、熱い、現役そのもののジャズに対する情熱、しかと頂きました。 寺島さんにお会いして、こちらのほうが逆に刺激をうけたような気がします。 ほんと、素敵なおっちゃんや。 そんな寺島さんに日常的に会える「メグ」に集うお客さんは日本一の幸せなジャズファンだと思います。 私もまた、「メグ」に行きたくて今から次回訪問が待ち遠しくてウズウズしています。 ジャンル別一覧
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