週末JAZZ

SANGOMA EVERETT

SANGOMA
穏やかな風が吹いていて、マイナスイオンに満ち溢れている。
空は突き抜けるように蒼く、木々は凛々と生い茂り、鳥群は我予の春とばかりに飛び廻っている。遠くにそびえる山々が結構近くに見える。 そんなイメージを連想させる一曲目。
朝だというのに、もうムシムシしてきた夏真盛り、このレコードをきくと部屋の温度が何度かさがるというか、すがすがしい気持ちになれる。
このアルバムは東京に行った時、六本木WAVEでジャケットを見かけ
気になっていて、結局大阪に帰省していた時、ワルツ堂梅田店で
買ったもの。 2曲目もライトシーのイントロに導かれてリカルド・デル・フラがアルコでマイナー調のメロディーをとる。
「SPRINGTREE IN SNOWHILL」が3曲目。
打って変わって躍動感あふれるテンポのよい曲で、歯切れの良いライトシーのピアノが猛烈にスイングする。フラとエヴェレットも堅実なサポート。

題名通りまだ雪が周辺には残っているのだが、木々は確実に成長して春の訪れを実感させてくれ、そこへ太陽の光が差し込み生命の躍動が始まる・・・そういった牧歌的な情景をイメージさせる曲。

IDAはこのところ活動の情報が伝わってこないレーベルだが、非常に秀作を連発していた会社。バルネ・ウィランの3部作が最も有名だがこれ以外にもルイ・スクラビス、ローレン・デ・ウィルデ、エンリコ・ピエラヌンツィ、エディ・ヘンダ-ソンなどの作品もいい。 もちろんここに紹介したピアノトリオが出来がよいのはいうまでもない。
4曲目はゲイリー・バーツの「アンクル・ブッバ」。
同じ頃バーツ自身がSTEEPLECHASEに同作をカルテットで演じているので聞き比べているのも面白いかもしれない。

このアルバムのピアニスト、カーク・ライトシーはフレディ・ハバードのバンドで活躍していたこともあり、自己のリーダー作はLIMETREEやCRISS CROSS盤などが有名だが、個人的には、ハロルド・ダンコとピアノデュオで演じたウェイン・ショーター集が最も印象的。この「SHORTER BY TWO」(SUNNYSIDE)1983年録音はたぶん全曲ショーター・トリビュート作の最初のものだろう。
ピアノ2台という珍しいフォーマットを逆手にとり60年代のショーター曲が秘める幽玄、黒魔術、SF的なイメージ、旋律美、特異なハーモニーといった要素を見事に表現し、独創性溢れた作品といえる。
ANA MARIA,DOLORES,DANCE CADAVEROUS,PINOCCHIO,ARMAGGEDON,LESTER LEFT TOWN,WITCH HUNT,IRIS,EL GAUCHO,NEFERTITIを演奏している。

リーダーのSANGOMA EVERETTEはその後MAL WALDRON, CHICO FREEMAN,CECIL McBEEとカルテット作THE COURAGE TO LISTEN TO YOUR HEART(TCB)を97年リリースし、NY,パリ、モザンビーク、イタリア、ドイツ、ポルトガル、スペイン、スイス、と世界中で演奏活動を続けている。

ベーシストのリカルド・デル・フラは88年にIDAからデイブ・リーブマン、アート・ファーマー、エンリコ・ピエラヌンツィらとのデュエット集をだしてからリーダーアルバムは出していないようだが、サイドメンとしてライブ、レコーディングとも
フランスジャズ界の中堅として活躍しつづけている。

このピアノトリオはそんな3人が80年代の終わりに記録した充実したレコーディングセッション。
いつまでも聴き続かれてよいピアノトリオの快作だと思う。






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