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テーマ:今日行ったコンサート(1126)
カテゴリ:クラシック
東京オペラシティ タケミツメモリアル
3/12 19:00〜 舞台裏オルガン席 メンデルスゾーン:幻想曲 嬰ヘ長調 op.28 ベートーヴェン:ピアノソナタ第24番 嬰ヘ長調 op.78 「テレーゼ」 ブラームス:8つのピアノ小品 op.76 / 7つの幻想曲集 op.116 バッハ:イギリス組曲第6番 ニ短調 BWV811 <アンコール> バッハ:イタリア協奏曲 ベートーヴェン:ピアノソナタ第12番「葬送」〜第1楽章 メンデルスゾーン:無言歌集第1巻op.19b〜「甘い思い出」/ 第6巻op.67〜「紡ぎ歌」 ブラームス:間奏曲 イ長調op.118-2 シューベルト:ハンガリー風のメロディD817 3/19 19:00〜 3階右横 シューマン:精霊の主題による変奏曲 変ホ長調 WoO24 ブラームス:3つの間奏曲 op.117 モーツァルト:ロンド イ短調 K.511 ブラームス:6つのピアノ小品 op.118 バッハ:平均律クラヴィーア曲集第1巻 前奏曲とフーガ第24番 ロ短調 BWV869 ブラームス:4つのピアノ小品 op.119 ベートーヴェン:ピアノソナタ第26番 変ホ長調 op.81a「告別」 <アンコール> バッハ:ゴールドベルク変奏曲〜アリア モーツァルト:ピアノソナタ第15番K.545〜第1楽章 ブラームス:アルバムの小品 シューマン:アラベスクop.18 / 「子供のためのアルバム」op.68〜楽しき農夫 シューベルト:即興曲D899-3 ピアノ:アンドラーシュ・シフ 改めて確認してみたら、これ書いて無かったので。 どうも武漢で怪しげなウイルス性疾患が流行っているらしい、という話が漏れ聞こえ始めたのは、1月半ばくらいでしたかね。春節前に武漢を封鎖すると言い出して本格的な騒ぎになり、2月の初めにはクルーズ客船内で感染が疑われる事例が出て、同時期にどうやら中国人観光客とかから伝染したと思われる事例が、東京湾の屋形舟で発生し(この頃はまだクラスターとかいう言い方してなかったような?)、と、徐々に大騒ぎになっていった、と。この辺の時間軸は覚えてる感じで書いてます。ちゃんとニュースとか日別時系列で追っ掛けるとまた多少違うんでしょうけれども。まぁ概ねこんな感じ。 で、この頃には、欧州での感染拡大が始まって、「アジアあぶないよねー」が「イタリアあぶないよねー」になり、各国大騒ぎになっていき、というのが、概ね2月一杯の動向だったと思います。 3月頃には日本国内では自粛ムードが高まってまして、それに先行して2月には既にマスクが無い、トイレットペーパーが無い、と大騒ぎしていた訳です。それがただの騒ぎでなくて、命が危ないかも知れん、となって、イベント類はキャンセルが相次ぎ…2月の下旬には、それでも東フィルはチョン・ミュンフン指揮で、定期演奏会で予定通り「カルメン」やりました。その3週間後の、プレトニョフ指揮の定期演奏会は、延期という形でキャンセルしたので、この辺にターニングポイントがあったということだったと思います。 そんな中での、シフ。 どちらも平日公演だったのですが、台風被災の後、一息付ける状態になったところで、今シーズン全然チケットも買ってなかったし、と思って、まぁシフだから買っておこう、行けなきゃそん時はそん時で、てな調子で買ってたんですね。休日公演の埼玉公演も。 ところがこの騒ぎ。まず、埼玉公演は、公営財団主催だったこともあってか、早々にキャンセルが決定。続いて、2月頃には日本での新型コロナ感染の中心地になっていた北海道の札幌公演もキャンセル。これはもうキャンセルにするんだろうなぁ、来れないだろう、と思っていたのが、3月初めには「対策取ってやりますま」とのお知らせが。まぁ、そう言うなら行くしかあるまい、ということで。 対策と言っても、この頃は、「ソーシャルディスタンス」なんて言い出したところくらいだし、席半分にしたら成立せんだろう、というのが一般理解で、今のような「収容人数半分、1席空ける」なんてやってませんでした。どっちの公演も払い戻しは受け付けてましたが、残席も売ったりで、少なく見積もっても6、7割は入っていたような。実際には普通のコンサートと同じような埋まり方なので、2、3階は満席でしたし、もう普通に隣に人が居る状態。 ただ、主催者側からの案内で、ほぼ全員マスク着用。1階の前の方で付けずに大騒ぎしてるのを見掛けましたが、まぁそういうお調子者というか勘違い野郎は男女問わず何処にでも居るけれど、何故か日本のクラシックのコンサートでは目撃率高いのよね… そういう一部の変な人を除くと、正直、ちょっと異様な雰囲気というか緊張感漂うコンサートではありました。 シフの演奏は、さて… 正直言うと、もっといい演奏聞いたことはあります。ただ、この状況下で、正直言うと一体この先日本も世界もどうなってしまうの?という雰囲気もある中、よくもまぁ日本に来てくれた、やってくれた、という感じでもあったので、冷静な判断は難しいというところでしょうか。 もう一つは、シフのプログラミングの、なんというか、渋さ。 なんというか、「なんでこんなものを」と思うような曲は一つもないんですよ。確かに。でも、この組み合わせ、と思って見ると、華が、こう、ねぇ…カタルシスもあまりない。特に12日はね。19日の方は、最後「告別」だしね、まだしもだけれど… だが、それがいい。勿論。まぁ、でないとシフのリサイタルは買わないやね。 敢えてそう言えば、今回はブラームスを中心に据えたプログラムということだったのでしょう。正直、あまりブラームスを弾く人、という印象はないのですが、弾けば流石としか言いようのない演奏。まぁ、正直言うと、私はそれほどこの辺のブラームスよく分かってるという訳ではないのですが、言うなれば秋の野原というか丘陵を歩いて行くような趣を感じます。絶景がある訳ではない。突然大瀑布に出っくわすようなことも、一面に見目麗しい薔薇の花咲き乱れる園に出る訳でもない。でも、ふと足下を見ると、小さいけれど可愛らしい花が一輪咲いている…いや、それすら大事ではなくて…というような。 とはいうものの、ブラームスの後期ピアノ小品集、op.116から119は、確かにいい曲だけれど、非常に内省的で聞き映えのする曲ではないかなと。リサイタルに入れるのはいいけれど、正面に出して銘打つならともかく、これにベートーヴェンとバッハ、というのもなかなか。しかもベートーヴェンはテレーズに告別ですからねぇ…シフだから成立するプログラムではあると思います。ただ、そうだなぁ…もうちょっといい意味での音楽的な緊張感が持続して欲しいなぁと、僅かながら感じたのも確かです。特に19日の方は。集中力という意味では12日の方が優れていたやも。特に後半、ブラームスのop.116とイギリス組曲はとても良かったと思います。 アンコールは例によって盛り沢山。慣れっこといえば慣れっこですが、19日のアンコールでゴールドベルクのアリア弾き始めた時は、つい「おおっ!」(全曲やるのか!)とかつい思ってしまったのですが……ま、んなこたないっすよね… それにしても、アンコールだからとはいえ、イタリア協奏曲やシューベルトの即興曲D899-3と、こちらの方が映える曲というのも…まぁ、アンコールってそういうものではありますが。ともあれ渋いプログラムとはいえ聞き応え十分のリサイタルでした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020年07月12日 23時11分49秒
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