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2026年05月01日
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カテゴリ:クラシック


武蔵野市民文化会館 14:00〜
 2階右手

 バーンスタイン:「キャンディード」序曲
         「ウェストサイド物語」〜 マリア / トゥナイト
         セレナード
 <独奏アンコール>
 ヴァインベルク:24の前奏曲 op.100 〜 第5番 (クレーメル編)

 ワーグナー:「さまよえるオランダ人」〜 「期限は切れた」
       「ワルキューレ」 〜 「冬の嵐は過ぎ去り」
       「タンホイザー」 〜 夕星の歌
 R.シュトラウス:4つの最後の歌 〜 「夕映え」
         「薔薇の騎士」組曲
 <アンコール>
 R.シュトラウス:4つの歌 「明日」 op.27-4
 菅野よう子:花は咲く

 テノール:ルチアン・クラズネツ
 ソプラノ:レーカ・クリストフ
 ヴァイオリン:ギドン・クレーメル
 バリトン:マティヤ・メイッチ
 バイエルン州立ゲルトナープラッツ劇場管弦楽団
 指揮:ミヒャエル・バルケ

 武蔵野市民文化会館の自主公演。昔、一時期、よく行ってたことはあるのですが、最近はあまり行きません。正直、企画がクセが強すぎて、来るお客もクセが強すぎて、そこまで行くことないや、と思ってしまったらもう行かなくなった。
 なのですが、今年の正月にウィーン・リング・アンサンブルの演奏会をやるというので、久々に来たのです。その時、この公演のチラシがあって。で、例によって、細かいこと分かりにくくしか書いてないので、なんだかわからんけどクレーメルが弾くのか、休みの日だし、買っておくか、くらいで、ろくにプログラムもチェックせずに買ってたんですよね。なんかバーンスタインとワーグナーなのね、名曲集的なものか、くらいのノリで。で、会場に来るまで、「今日はクレーメルを聞く日」という認識でやってきたわけです。だから、殆ど何も期待してなかったんですよね。期待してないというよりただただフラット。一曲だけだけどクレーメルの伴奏なのね、くらいの勢いで。我ながらなんぼなんでも酷い話だ...
 ただ、言わせてもらうと、私、ミュンヘンには何度も行ってるけど、ゲルトナープラッツって何処にあるのか知らないんですよね。確かにミュンヘンにはStaatsoperの他にも劇場はある、という認識ではあるし、確か旧王宮の中だかに劇場があるんだっけか?くらいの記憶はあるけれど、ゲルトナープラッツ劇場というのは知らない。1865年に創設されたらしいんですが。ちなみにゲルトナープラッツ自体は、市庁舎があるMarienplatzの南東、ドイツ博物館の西にあたる場所らしいです。多分通ったことあるとは思うんだけれど...

 で、来てみたら、これ、どちらかというと声ものメインじゃないですか。とはいえ、歌手は知らない人ばかり。どうやらこの劇場の座付き的な歌手を連れた来たということらしいです。
 結論から言うと、何の期待もなく聞いたせいもあろうけれど、結構良かったです。

 まずクレーメルの話をするなら、私も何度も聞いたことある人ではないのだけれど、音がこんなに綺麗な人だったか、と認識を新たにした、というのが一つ。まぁトップクラスのヴァイオリニストだから、音が綺麗なのは当たり前だろと言われればそうなんでしょうけれど、まず思ったのがそのこと。技巧的にはどうなんでしょうね。流石に衰えはあるのかな、とは思いましたが、それは技巧派の極みのようなクレーメルなればこそ、と言うべきで、やっと普通の凄いヴァイオリニスト、ということでしょうか。ちょっとグルベローヴァを思い出しました。グルベローヴァも晩年は往年の超超絶技巧は影を潜めて、ただの空前絶後のトップソプラノに成り下がっていましたが - 成り下がってやっと空前絶後のトップクラスだったのですよ...空前絶後と言える程度に比較出来るようになったという....(個人の見解です) - 、クレーメルもそれに似たところがあるというか。ああいうの聞いて「このくらい弾く人は一杯いる」とかいう人もいるんでしょうかね。まぁ、私はヴァイオリンは詳しくないから、きっとよく分かってないんでしょう。
 バーンスタインのセレナードというのは、要は協奏曲。聞いたことなくて、思いの外大曲で、ちょっと弾いて終わりなのかな、と思っていたけれど、そこそこ長い結構面白い曲でした。バーンスタインらしい、現代曲だけれどちゃんと旋律のある曲。
 アンコールのヴァインベルクも聞いたことなかったのですが、しかし、あれ、あれが終わりで間違いないのかな?ちょっとよく分からなかった。演奏はやっぱりとてもいい綺麗な音で、もっと聞きたかったんだけどな。

 歌手陣は、前半後半ともにまぁこんなものかな、という感じでしたが、バリトンはそこそこ悪くなかった。一番良かったのはソプラノでしょうか。特にアンコールのR.シュトラウスの「明日」はとても良かった。この曲は、グルベローヴァが、特に晩年、リサイタルで歌っていたけれど、いい曲です。これを久し振りに聞くとは思っていなかった。この佳曲をやっぱり綺麗に歌っていました。夕映にも良かったけれど、歌唱としてはこっちの方が気に入ったかな。テノールは....まぁ、可もなく不可もなく、かなと。
 でも、正直言うと、こういうプログラムだと思わずに来たので、なかなか楽しめました。なんだろうな。上手い下手とか凄い凄くないとかいうことと違って、ちゃんと歌ってるんですよね。音楽になっている。「音楽になってない演奏会なんてあるのか」と言われそうですが......まぁ、ありますよ。音楽になってはいてもまるで音楽として楽しくないのとか。

 オーケストラも勿論悪くない。正直、たとえば縦の線があってないとかいうことはあったと思います。上手い下手を言えば下手だと思います。でも、音楽になっている。引き合いに出すのもアレですが、先週聞いたN響の方が、きっと技術的には上手いのでしょう。たとえばバリバリの現代曲とかやらせたら、N響の方が上手く演奏するのかも知れない。でも、こういう音楽、というのはつまりショスタコーヴィチやストラヴィンスキーあたりまでだったら、きっとこっちの方が上です。なぜそう思うかというと、この人達は自分がどういう音楽をやろうとしているか、多分きっちり入っているから。
 前に、日本の合唱団について、この人達一人で自分のパート歌ったら多分歌になってない、という話を書いたと思いますが、それと同じで、N響のあの演奏会では、一人一人がどういう音楽をやるのか、その中で自分がどういう音を奏でるのか、という見取り図があるように見えなかった。だから、技術的には「合っている」のかも知れないけれど、音楽として何やりたいのか分からなかった。
 このオケは、何をやろうとしているのか、分かるのですよ。薔薇の騎士組曲なんか、決して綺麗に揃ってはいない。でも、何をやろうとしているのか、ちゃんとわかる。だから、音楽として楽しいのです。それがあるから、R.シュトラウスの歌曲がとても面白かった。歌唱だけじゃないんですよ。
 指揮者は若手らしいですが、勿論悪くないのでしょう。

 他を引き合いに出して褒めてしまうというのはちょっと失礼ではあるんですけどね。ただ、先週のそれからするととても良かったのですよ。本当に。まぁ、だからといって、次ミュンヘンによる機会があったとして、Staatsoperを振ってまで行くかと言われると、多分それはないんだろうなとは思うんですが。でも、本当に楽しかったですよ。





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最終更新日  2026年05月01日 23時38分59秒
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