乗船名簿

乗船名簿


青函連絡船に乗船するには切符の他に住所氏名等を書く上のような乗船名簿が必要でした。晩年は一便に百人程度乗ることもあり、乗り場に乗船名簿が積まれご自由にお持ち下さいでした。

乗船客がとても多い時は、乗船名簿を前もって確保しなければ、希望便に乗れない事がありました。筆者のかつて見た光景を以下に書きます。

最も混雑するのが、午前0時台発の二つの便で前日午前9時から乗る便を指定して配布開始してましたが、それ以前から希望者が並んで待ってましたね。
駅の割り当て枚数に達して配布打ち切り、満船扱いになります。

国鉄は21時半頃に普段客扱いしない便を臨時便に仕立て、あらかじめ名簿の取れなかった乗船客をこちらの便で運びましたが、22時を過ぎに到着する普通列車からお客さんが桟橋に集まる頃から、0時の便に簡単に乗れると思ってた人も加わり、以下の会話がくりかえされます。

お客「乗船名簿必要なのですか、下さい。」

係員「接続列車の指定席券お持ちの方を優先してますのでお持ちでしたらお見せ下さい」

乗客「窓口に行ったら満席だったので、立って行きます。」

係員「それでしたら午前2時半発の便になります。」

乗客「列車が出てしまうのでこれに乗せてくれ」

係員「定員以上お乗せできませんので・・・」

乗客「乗せろ!」
低姿勢の係員(開き直った係員もいたかも)とエスカレートしていく乗客のこんな会話がくりかえされ、船は出て行くお客さんは残るでした。

知ってる時は午前2時台の便で積み残し客の輸送終わりましたが、この少し前は午前5時台の便で全員運びきれてたようですし、更に集中してた時は、貨物専用の有川埠頭迄乗客をバスに乗せて、一隻の客貨船を有川埠頭から出してたそうです。

こちらが函館駅の発車案内板でした。
発車案内


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