「真夜中の五分前」本多孝好(新潮文庫)【感想】
三浦春馬さんが出演した映画「真夜中の五分前」を観て、感動して、原作も読んでみたくなってこの小説を読んだ。
ちょっとびっくり…
がっかりしたわけでは決してなく、純粋にびっくりした。
この小説が、あの映画の原作だとすれば、重なる部分は5%くらいだろうか。
推測だけど、日中合作で映画を作り込んだ結果、ほぼ別物になったということなのかもしれない。
原作者は映画をどのように感じるものなのだろうか、ということをまず考えた。
おそらく、全く違う物語だと思って小説を読んだ方が、あるいは映画を観た方が、混乱せずに楽しめるだろうと思った。
そして力説したいのはここから。
この小説、映画を観た時の感動を上回るくらい、すごく面白かった。
特に、登場する一人ひとりの言葉がとても深い。
会社の上司の女性、上司の男性、彼女の姉妹の夫、転職先の社長、アルバイトのお兄さん、彼女、バーテンダーなどなど…
それぞれのキャラクターが良く考えられていて、誰を取り上げてもひとつの物語ができそうな気がした。
この本を読むまで、本多さんという作家を僕は知らなかった。
読み終えて、とても才能ある作家さんだと思った。
本多孝好さんを知ることができて、それだけでも、今回は十分に収穫だった。