著者、スティーブン・R・コヴィー氏が「永続的な幸福と成功を支える基本的な原則」と説く「7つの習慣」。

「第三の習慣」までは、自分自身のあり方が書かれていて、これから始まる「第四の習慣」以降には、他人との関わり方が書かれている、と思われる。
第三と第四の間に置かれているこの章【相互依存のパラダイム】には、第四章以降に読み進むにあたっての心構えが書かれていた。
「パラダイム」とはなんだろう…?と、まず思った。
「パラダイムシフト」という言葉なら、時代の転換点に言及する講演などで良く耳にしてきた。学者さんや官僚さんやコンサルさんみたいな人たちが「パラダイムシフト」を口にするのを聞くにつけ、また安っぽい受け売りが始まったぞ…という気持ちになり、僕にとってはあまり良い印象がある言葉ではない。
それはそれとして…少し調べてみると、「パラダイム」自体は「規範」。その時代の考え方を支配する共通のルール、ということらしい。
そして、「相互依存のパラダイム」とは人間関係を円滑にするための心構え。それは小手先のテクニックやマニュアルでどうにかなるものではなく、地道に信用を積み上げることでしかなし得ない。そのことを第四の習慣に進む前にちゃんと理解しておきなさい、と書かれているのだと感じた。
これも、まあまあできているのではなかろうか…と今のところ思っている。
地道に「信頼残高」を積み上げていくことにかけては、周りから「バカ丁寧」と言われても、信念に近い思いで愚直に続けてきたと思うし、その結果、自分自身想像も期待もしていなかったくらいの厚い信頼を寄せていただいた経験も一度や二度ではない。
ただ…とやっぱり思うところもある。
一度マイナスに陥ってしまった信頼関係を取り戻すことを僕はかなり苦手としている。悪いのは僕ではない、とどうしても考えてしまうし、改善に向けた行動を拒みたくなってしまう気持ちになりがちな部分は否定できない。
とりあえず今は、「信頼残高」の積み上げが大切、ということを頭に入れて「第四の習慣」に進もうと思う。