「7つの習慣」の6番目。
第一の習慣から順に、自分なりに要約すると、
①自分が置かれている状況を他人のせいにしない。自分ができることを見つけてそこに集中する。
②状況の改善に取り組む前に、進むべき方向をしっかりと見定める。さもなければ努力がムダになり兼ねない。
③状況改善のために必要なことは急かされる前に計画的に取り組む。さもなければ緊急事態に振り回されてムダに忙しいだけの日々になる。
④相手をやっつけるのではなく、双方にとって良い結論を求める。
⑤自分の立場を主張する前に、相手の考えが理解できているかを相手と一緒に確認する。
そして「第六の習慣」は【相乗効果を発揮する】

「相乗効果を発揮する」とは、一言で言うなら、対立する相手と主張をぶつけ合う中から、どちらの当初案も上回る「第三の案」を導き出せ、ということだと理解した。
「まず担当者案を示さなければ話は前に進まない」「叩かれても叩かれても、叩き台を出し続けろ」と言われ続け、自分に言い聞かせ続けもしてきた自分としては、この考え方にかなり共感できた。
言い出しっぺは批判に晒されやすく、嫌な思いもするけれど、受けた批判の中には具体的な提案もある。それを丁寧に拾っていくうちに、当初の案がどんどんブラッシュアップされていく。
そう思ってきたし、この手法は間違いではなかったと思っている。
ただ、その「実践」が成り立たない状況、つまり、そもそも「第六の習慣」を適用しようがない状況はしばしばあると感じていて、その時どうすれば「相乗効果を発揮する」状況に持っていけるのか、この本を読みながら、著者に聞いてみたい気持ちで一杯になった。
例えば、相手方が問題意識を持っていない場合。
ある部署のマネジャーが代わった途端、成績が目に見えて落ち始めた。この状況をどう立て直すか。話し合いを持ちかけてもそのマネジャーは、これまで通りやっているので問題ない、と言うばかり。さらに、成績が落ちているのは社会情勢の変化であり担当部門の問題ではない、経営が考えるべきことだ、と主張。ならばと、経営側から具体的な提案をしてみると、現場を知らないくせに…と言わんばかりに嘲笑しつつ「だったらこんな時はどうしますか?教えてください」などとその提案を潰しにかかる。
さて、このマネジャーに失格の烙印を押す前に、どうすれば「相乗効果を発揮する」段階に持っていくことができるのか…。
おそらく、「信頼残高」がゼロまたはマイナスになっていることがそもそもの問題だし、相手のせいにするばかりで自分ができることを見出そうとしていない。相手を理解する努力も足りない、相手とのWin- Winもまったく考えていない、等々、著者には散々言われそうな気がする。
第一から第六の習慣まで、何ひとつできていない状況だと…。
だけど正直に言うと、「何も変えたくない、何もやりたくない」人物とどうすればアイデアをぶつけ合えるのか、信頼残高を積み上げていけるのか、この本の内容を実践できるのか、今の僕にはイメージができない。
どうしたら良いのだろう…
いよいよこの本から落ちこぼれてしまったかな…と思いつつ、いよいよ第七の習慣に進む。