カテゴリ:本
アメリカのドナルド・トランプ大統領が、2期目の就任直後に関税の大幅な引き上げを宣言し、世界経済を混乱に陥れている。
だけどその後、アメリカ経済にも良くない兆しが跳ね返ってきたことを受けて、アメリカ政府の方針が少し変わったようにも見える。 彼らしいと感じるのは、その良くない兆しの責任を、アメリカの中央銀行総裁にあたるパウエルFRB(連邦準備制度理事会)議長に押し付けるかのような動きをしたところ。 自分に批判の矛先が向かないようにするための戦略なのか、パウエル議長を「Mr. Too Late」などと罵り、金利切下げに慎重な議長の姿勢を批判した。 トランプ氏は以前、大統領選挙の敗北を受け入れることができず、票が盗まれたと支持者を扇動。暴徒化した支持者の群れが国会議事堂に乱入したことがあった。 今回の動きはそれに重なって見える。 かつて、ボルカー議長の時代には当時の大統領はどんな振る舞いをしていたのだろう…。 そんな思いもあり、この本を読んでみた。 結果、今と同じ類の大統領はいなかったように思われた。 世界が憧れるアメリカに1日も早く戻って欲しいと思う。 原題は Keeping at it。2018年に発行され、日本語版は村井浩紀氏の訳により2019年に1版1刷が発行されている。 【目次より】 ワシントンに向かう/挫折した通貨制度改革/インフレと闘う/国内外の金融危機/終わらなかった任務:金融システムの修復/FRB議長退任後/新しい金融の世界:崩壊と改革 【年表より】 1927年:誕生 1952年:ニューヨーク地区連邦準備銀行にエコノミストとして就職 1957年:チェース・マンハッタン銀行に調査担当エコノミストとして転職 1962年:財務省に新設された金融分析局の局長に就任 1963年:財務省の金融担当の副次官に指名される 1965年:チェースに長期計画担当部長として復帰 1969年:ニクソン大統領の金融担当の財務次官に指名される 1974年:プリンストン大学ウッドロー・ウィルソン・スクールの上級研究員に 1975年:ニューヨーク連銀総裁に 1979年:FRB議長に 1988年:プリンストン大学ウッドロー・ウィルソン・スクールの教授ほかに就く 2004年:国連の独立調査委員会の委員長に指名 2007年:世界銀行の独立審査パネルの議長に指名 2009年:オバマ大統領の経済再生諮問会議の議長に指名 ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
May 3, 2025 10:13:10 AM
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