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June 6, 2025
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原題は「The man who solved the market - How Jim Simons launched the Quant Revolution-」。2019年に出版され、日本語版は水谷淳氏の訳により2020年に発行されている。Quantには「定量的データを利用する金融アナリスト」という意味があるらしい。




【感想】
僕も今、NISAの流行りに乗っかって、お小遣いの余りで投資信託を買っている。(残念ながら今のところプラスとマイナスを行ったり来たり…!ガマンガマン…)
小銭でも投資家気分が味わえて楽しいし、もちろん「増えて欲しい」が一番の願いだけど、その一方で、株を買う時のように投資する会社とのつながりを感じないところが寂しい、とも感じている。

ジム・シモンズ氏を始め、この本に出てくる人たちは、金融市場でのお金の奪い合いのために高度な数学の知識と天才と称される頭脳、加えて膨大なエネルギーを日々費やしていた。
彼らからは投資先を応援する気持ちなどは微塵も感じなかったし、投資先を詳しく知ろうともしていないように思えた。
投資スタイルとして余り共感できなかった。

だけど、理解できない世界の話だからこそ、この際読んでみたいとも思った。
上巻を読み終えて、彼らの考え方が少し理解できたような気がするし、ふんだんに盛り込まれた個人的なエピソードを通じて、登場人物に対する親しみも湧いてきた。
それでも、この手の投資術はやっぱり邪道ではないか、との思いは拭えない。

ちなみに本書の83-84頁で、著者は投資家を次のようにタイプ分けしている。

①「一部の投資家や学者は、市場のジグザグな動きはランダムであって、入手可能な情報はすでに価格の中に織り込まれており、価格を上下させるのは予測不可能なニュースだけであると考えていた。」

本書の前に読んだ本の主人公はこの立場を取っていたと思う。市場の予測は不可能だから常に暴落に備えるべきと考え、いわゆる暴落保険のような投資をポートフォリオの一部に組み込み、その結果、膨大な利益を生み出していた。

②「その一方で、価格の変動に反映されるのは、経済や企業に関するニュースを予測してそれに反応するという投資家の取り組みなのであって、その取り組みがときに実を結ぶのだと考える者もいた。」

一般的なプロの投資家の考え方はこれだと思う。専門的な知見と経験によって市場の変動はある程度予想できるとし、市場平均を上回る利益を唱い投資を募っている。

③「シモンズは独特の見方を取った。大量のデータを入念に調べ、ほかの人にはランダムに見えるところに秩序を見いだすことに慣れていた。」

これが本書の主人公、ジム・シモンズの立場。
天才的な数学者が、高度な数式を駆使することで不規則にしか見えない売買価格の動きに一定の規則性を見出し、人間の感情を極力排除した売買を繰り返す。その手法で圧倒的な成果を挙げていった。

だけどシモンズ氏らがこのビジネスモデルを立ち上げた1970-80年代に、シモンズの頭脳に付いていけるようなコンピューターはあったのだろうか。
僕自身の記憶では、かわいらしい形をしたマッキントッシュコンピューターがアメリカの家庭に爆発的に普及したのが1980年代の半ばくらいから。性能的にはワープロに毛が生えたくらいのものだったように思う。

シモンズたちはいったいどんなツールで複雑な数式を操り、投資にも応用できるシステムを組み立てて行ったのだろうか…などと、少し本質からはずれたことを読みながら考えてもいた。

少々お腹いっぱい…
すぐに下巻を読み始めるか、インターバルをおくか、少し考えようと思う。





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Last updated  June 6, 2025 12:00:09 AM
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