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August 4, 2025
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アガサ・クリスティーを読むのはこれが3冊目。今回の「ビッグ4」は名探偵ポワロが登場するバージョンだった。



本のコピーライトが1927年となっているこの小説の中に「日本をおそった大地震」という記述を見つけた(5.若い科学者の失踪)。
これはきっと1923年の関東大震災のことだろうと思った。

1923年は和暦にすると大正12年。
ずいぶん昔だ…
ほぼ100年前のイギリスを舞台にこの小説は書かれたことになる。
なのに古さを感じないところはすごい、と思った。

大正時代の日本の文壇では、与謝野晶子、永井荷風、志賀直哉、武者小路実篤、芥川龍之介といった作家たちが活躍していて、日本の文豪たちの作品からは今の時代とは明らかに違う古き良き日本の風景が浮かんでくる。

その時代感を「ビッグ4」からはあまり感じることがなかった。
むしろ、今も昔も、人が考えることや、やっていることはぜんぜん変わっていなくて、「物事がますます複雑化、高度化している現在…」みたいなことを訳知り顔に語る人は、今だけじゃなくて大正時代にも、そしておそらく平安時代にもいたはずだ、と改めて思った。

この作品には「クリスティー文庫4」と番号が振ってある。4ということはアガサ・クリスティの初期の著作なのだろう。
読んでみると、ハリウッド映画ばりに危機一髪の場面が散りばめられていて、一方で、いつもポアロと行動を伴にしているヘイスティングズとポアロのやり取りには、のび太とドラえもんの会話に通じる微笑ましさを感じた。
この作品は、アガサ・クリスティの筆が成熟していく過程、そしてポアロとヘイスティングズの人となりが完成していく過程の一作なのかもしれない。

次の一作を読む意欲がそそられた。





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Last updated  August 4, 2025 12:00:14 AM
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