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カテゴリ:映画
第二次大戦後のアメリカ統治下の沖縄。
日本政府に見放され、法的に守られることなく駐留米兵たちの犯罪行為に泣き寝入りを強いられ続けた沖縄の人たちの怒りと反抗が映画の中で爆発していた。 もちろん、この沖縄の怒りは駐留米軍だけでなく、日本本土の人間たちに対しても強烈に向かっている。 反米を意図する映画ではない。。 ![]() 一方で当時の沖縄の人たちのやるせない思いも随所にあった。 例えば米兵が立ち寄る飲食店に貼られた「本土復帰反対」のビラ。 米軍基地がなくなってほしい、という本音だけでは暮らしが成り立たないほど、米軍基地が落とすお金に依存していた基地周辺の現実も丁寧に映し出していた。 あの戦争さえなければ…と簡単に片付けることのできない映画だった。 あえて感想を言うなら、「日本とは本当はどういう国なのだろう。日本人とは誰のことなのだろう…」と思った。 僕自身、戦後しばらくしてから生まれて、日本は良い国になった、日本人は優秀な国民だ、と教えられながら育った。 ここまで日本の中で平々凡々な人生を歩んできた身で、誰のおかげで…と叱られそうな気もするが、正直に言えば、こんな大人たちにはなりたくないなぁ…と思いながら子供時代を過ごしていた。 公害を垂れ流しながら金儲けに血眼になっている企業群、くわえタバコで深夜まで職場や飲み屋にへばり付いている中年太りの脂ぎったサラリーマンの群れ。日本の大人たちはすごく格好悪いと思っていた。 今にして思えば敗戦の屈辱感が、あの醜いエコノミック・アニマル集団を産み出したような気がする。 今、「台湾は歴史的にも中国の一部だ」と言って憚らない政権や、「ロシアとウクライナは歴史的に一体だ」と力を行使している政権があるけど、台湾とウクライナの人たちの多くがそれを望んでいないことはとても重く、この状態で仮に両国のリーダーが信じる「あるべき姿」が実現しても、それは長く続かないと思う。 高度成長期の日本もこれと似たところがあったと感じる。 経済的には世界1位だ2位だと威張っている裏で、次に続く世代の多くは窮屈な大人の生き方を嫌悪していた。「俺たちの成功を見習え、若い奴らは根性がない」と言われても、過去の武勇伝を聞かされても響かなかった。外国から見ても当時の日本は好かれていなかったと思う。 時を経て、今の日本があの頃とは変わってきていることは本当に嬉しい。相変わらず井の中の蛙っぽいところはかなり見られるけれど。 何かおかしいな、変だな、間違っているな、とたくさんの人たちが思っている状態は、きっと続かない。 この映画を観ての感想はこれかもしれない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
September 28, 2025 12:00:14 AM
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