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テーマ:プロ野球全般。(13940)
カテゴリ:スポーツ
《PL学園の四番打者、清原和博が右打席に立った。
そして僕はレフトの守備位置についている。 さて、どう守る…?》 清原が甲子園で活躍していた頃から、こんな空想をすることが時々あった。 《清原のバットから地を這うようなライナーが自分に向かってギューンと伸びてくる。そんなイメージを頭に置きながら、どんな打球だろうがとにかく身体が伸び上がらないように、重心を低く、腰のあたりで捕球する意識で動こう》 空想の中で僕は真剣にこんなことを考えていた。 ![]() 高校時代の清原のゆったりとしたバッティングフォームと、柔らかいスイングから飛び出す鋭い打球に、当時の僕はすっかり魅了されていた。 「清原には投げる所が見当たらない。どうしよう…」などと、ピッチャーでもないのにそんなことを考えることもあった。 プロ入り後、身体が筋肉でムキムキになる前の清原への憧れは今も消えていない。 その清原和博のプロ野球選手引退後の姿がこの本には書かれていた。 著者の鈴木忠平さんは「嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか」を書いた人。 鈴木忠平さんの筆力に再び触れてみたくなってこの本を手に取った。 結果論だけど、清原はもっと活躍すべき人だったと思う。本当にもったいない…と改めて思う。 清原くらいのスーパースターに、大リーガーの代理人のような専属のマネージャーはついていなかったのだろうか。 世の中を知らないまま大金を手にした清原は、赤子の手をひねられるように夜の街の食い物にされてしまったのではないか。 さらに言えば現役時代にも、プロレスラーのように筋肉をつけて彼の長所を消してしまうことも避けられたのではないか。 そんな気がしてならなかった。 落合監督の本と同様、著者は自問自答を繰り返しながら清原と向き合い、関係者への取材も重ねながらこの本を書き上げた。 「あんたは清原を食い物にしている」と取材先の一人から罵られながらも、そしてそれを否定できないと感じながらも、丁寧にこの一冊は書かれていた。 力作だと思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
October 8, 2025 12:00:22 AM
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