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カテゴリ:本
2026年現在、二度目のトランプ政権で副大統領を務めているJ.D.ヴァンスが30歳くらいの頃に書いた本。
自身の生い立ちをこの一冊にまとめている。 出版は2016年。 ![]() 2025年3月、プーチンによるウクライナ侵攻を食い止めるべく、大国アメリカを頼ってホワイトハウスを訪ねたウクライナのゼレンスキー大統領を、ヴァンスは罵った。 「一度でも(米国への)感謝を口にしたことがあるか」等々。 その映像を見て、トランプの番犬のように振る舞うヴァンスに極度の嫌悪感を覚え、怒りを通り越して吐き気を催した自分には、最近までこの本を読むという選択肢はなかった。 だけど今回、思い切って読んでみた。 この男の脳みその中を見てみたかったのだと思う。 読んでみて、正直に言って、ヴァンスに対する見方が変わった。かなり大きく。 ヴァンスはきっと、子供時代に次々と入れ替わった何人もの「父親」と上手に付き合わざるを得なかったことによって、トランプのような人間とも難なく付き合える類い希な才能を身につけたのだと思う。 ヴァンスはきっと、法律よりも暴力によって家族を守ってきた祖父母に長く育てられ、日常的に乱暴な愛憎表現に囲まれてきた出自によって、今もなお、暴力的で粗野な空間に自分の本来の居場所を感じているのだと思う。 トランプ政権の言動には白人優越主義が透けて見えている一方で、ヴァンスは、ラストベルトの白人たちが貧困と犯罪と薬物から抜け出せない大きな理由は、彼らの自業自得だ、との趣旨を繰り返し述べている。このことは特に興味深かった。そして共感した。 ヴァンスの本心は、トランプの考えとは別のところにあるのだろうと思う。嫌な言い方をすれば、トランプを利用している、踏み台にしている、という見方もできる。 だから、仮にヴァンスがトランプの後を継ぐ大統領になった場合、トランプとは大きく路線が変わることもあり得ると感じた。まともな政権になる可能性もあると感じた。 ただ、その場合の懸念は、やはりヴァンスが、感情をコントロールできない家族の中で育ち、彼自身が認めるとおり、ヴァンス自身にも感情が爆発する気質があることだと思う。 自分の感情がコントロールできない大国のリーダーは危険すぎる。
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Last updated
March 17, 2026 10:15:17 PM
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