ラ・ラ・ラ・メディテーション

2007/03/28(水)02:25

東京タワー

瞑想・気づき(82)

さて実は、鯨のツアーやリゾートホテルは 誰と滞在しているのかというと、 その相手は、まるで遊びの神様みたいな 七十七歳のお金持ち風(註:風!?)のお婆さんで、 そのお婆さんは、 いやいやしていた子育てを終わってからは、 生来の旅行好きさを発揮して、 世界中の聖地や巡礼地や観光地やら、 あげくはアウシュビッツ強制収容所やら パリやらロンドンやらを巡り、 かたわら観劇とかパッチワーク教室の先生とかを やりつつ人生を謳歌して、 なるほどこの人はとことん遊び好きだから、 子育てとか教育とか、 かなり無理していたんだろうなあ・・・と、 息子にも思わせてしまうほどの人で、 その息子というのが何を隠そうこの僕で、 今回は、僕が彼女にとっての未踏の地である マウイ島に行くというと、合流することを計画して、 ひとりで車椅子の婆さんに変装して ちゃっかりと世話をされながら、 マウイ島のベンチで寝転んで 朝から彼女を待ってる僕に、 サングラスをかけながら軽快に すたすたと近づいてきたのでした。 彼女は興奮すると杖を忘れたり、 財布を忘れたりするので、 この僕が!?しっかりとしてくるのだから、 二人はなかなか良い組み合わせかもしれない。 僕といえば、 年取ってからの母子二人で旅するなんては 初めてのことだけれど、 リリー・フランキー氏の「東京タワー」 と、みうらじゅんの 「親孝行プレイ」の本で予習してきたので なんとかいらいらせずに、 二人旅行を楽しめている。 イライラしても、 こころのなかで「イライラ・イライラ」と つぶやいて、 そのイラツクバイブレーションを感じつつ、 やり過ごすことができるのは、 やはり例の大手術のおかげで スペースが大きくなっているのだろう。 元気な母だが、 いずれにしろ僕よりは早く死ぬつもりだから、 母は僕のために 親孝行やら鯨の鳴き声やらの思い出を 残してくれるつもりでいるらしい。 帰ったら姉のために、 ラスベガスで母親とギャンブルするという思い出を 姉のために残すという計画がもう進行中らしく、 ついこの間、ひとりでニューヨークに行っのは 誰のためだったんだ?なんて疑問は、 誰にも言わせない勢いで、 彼女もまた人生という船旅を 豪華客船の乗客風に装いながら 幕引きを演じきろうとしているみたいだ。 「そして船は行く」 フェリーニ!

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