アメリカ奮闘記

2006/01/18(水)17:40

ライブドア 内部告発文書を読んで~ホリエモン インサイダー取引に関与?

企業・ビジネス(34)

世間を騒がせている,ライブドア インサイダー取引疑惑騒動. ライブドアの内部告発文書をインターネットで読んだのだが,これを読むとどうやらこの疑惑は本当っぽい. ■ インサイダー取引で10億稼ぐ.その影にはホリエモンが... 内部告発文書はすべて実名で,T証券の営業マンが証券取引等監視委員会あてに書かれていた. 愛知県でレストラン業を営む経営者(顧客).同証券会社で資金5000万円で2003年10月に新規口座を開設. 同証券会社の営業担当はライブドアだけを買い,他の銘柄は一切取引しなかった. 3ヶ月間の取引は,ライブドアの株数10万株を越していた. 顧客との連絡は携帯で行った(通常は,取引の状況を記録するため,会社の電話を使用する) そして,11月19日.ライブドアが株式を100分割すると発表 同発表後に株価200円から2004年1月21日1822円の高値をつけた. 同顧客は,たった3ヶ月の取引で約10億円の利益を手にする. そして,証券会社の営業担当は礼金として2億円をうけとった とされている.そしてさらにこの内部告発を面白くさせるのは,2004年3月ころの夜六本木の高級レストランで内部告発者が食事をしていたときのこと.同証券会社の営業担当と営業部次長,そしてその顧客が,ライブドア堀江社長と食事をしているところを目撃したのだ. ■ 堀江社長はリチャード・ブランソンを思い出した...のに... ライブドアの堀江社長は,社の顔となりマスコミに現れ,自らが広告コンテンツとなる.彼の姿をみていたら,ヴァージン・グループのリチャード・ブランソンを思い出させてくれる. はじめのころのリチャードブランソンは小さな雑誌つくりからはじめ,若者がたむろできるレコード屋さんをはじめた.音楽のプロモーションでマイクオールドフィールドと契約し爆発的ヒット.彼の仕事のスタイルはつねに遊びを取り入れ,自らがマスコミの露出しヴァージンを宣伝活動した.ヴァージン・アトランティック航空を設立したときのこと.ブリティッシュ航空に有利な規制との闘いにも,常にマスコミを通じて世間の関心を集め,規制解除にこぎつけた. ホリエモンも,近鉄買収,ニッポン放送買収,国政選挙に立候補.これらすべては会社の顔として,広告としてがんばったことだ.常にマスコミに露出して,知名度をあげる.予定通り,会社の知名度はあがり,業績も上がる. ■ ライブドアへ致命的なダメージ ただ,今回みたいホリエモンの不正疑惑がでてくると,会社はたちまち危なくなるリスクはある.正直,クリーンさはあったように思えたのだけど,今回の危機はライブドアにとってはかなり致命的だ.いろいろ注目されていた成長企業だっただけに,世間の信用を失うことはいかに怖いことかよくわかる. 高PER 摘発前の7000億円の時価総額は,純利益150億の46倍の水準で取引されていたわけだから,あまりにも評価が高すぎた.知名度があるからといっても,ライブドアが稼ぎは金融業からきていたもので,本業(とおもわれていた)インターネット事業は微々たる収益しか上げていなかった.知名度だけで株式を買った投資家は,(ましてや,46倍の高評価をつけていただけに),高い授業料を払ったことになる.「会社の顔」の信頼を失うリスクをはじめて学んだのではないだろうか. 優秀な社員の流出 もしライブドアの株式が上場廃止などになれば,低迷する株価により優秀な人材が離れていく可能性もある.ライブドア社員がストックオプションまたは自社株購入制度などで自社株をもっていれば,紙切れとなった株式をもっていても意味がない.とっとと,会社へのロイヤリティーが減り,他のIT企業へ転職する社員が増えるのではないだろうか. 業務提携解消 そして,業務への支障.信用ない会社と付き合いたくはない. インサイダー取引によって金儲けをするやつらは絶対に許されてはならない.まあ今後の捜査の進展を見守りたいが,仮にこの内部告発が本当であれば,ホリエモン,かなりやばいぞ.

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