2008/03/08(土)03:10
ヴィンテージ・ポートについてまとめてみた
本日は、ポルトガルのポートワインの中でも
ヴィンテージ・ポートと呼ばれるものについてです。
そもそも「ヴィンテージ」とは、
ワインのもとになるぶどうが収穫された年のことを指します。
ではポートの場合も、ぶどうの収穫年がわかっているものはどれでも
ヴィンテージポートと呼ぶのかというと、そうではありません。
ポートの基本はブレンドですが、トゥニーポートのコルヘイタのように
ぶどうの収穫年の表記が義務づけられているものもあります。
でも、コルヘイタはけっして、ヴィンテージ・ポートとは呼ばれません。
(コルヘイタについて忘れちゃった方は、こちらで復習)
ヴィンテージ・ポートは、選ばれしものだからです。
●ヴィンテージ・ポート(Vintage Port)
極めて質の良いぶどうが収穫された年に、そのぶどうだけで作られたポートが
長期の熟成により格別なものになると見込まれた場合、ポートワインの生産者から
ポートワイン協会(I.V.P)に対して、ヴィンテージの宣言をして認められたポートワイン。
特徴として、樽での熟成を2年間おこなったあとで、澱ごと瓶詰めをすることで
熟成のほとんどが瓶内でおこなわれ、数十年にわたる熟成が可能となる。
ひとことで説明するのは難しいのですが、そんなかんじでしょうか。
まずヴィンテージ・ポートの場合、毎年作られるものではないので、
とにかく「素晴らしいぶどうが採れる」ということが前提条件になります。
おいしそう~w
ただ、それだけではヴィンテージ宣言されません。
次の年が凶作で、ポートワインをある程度の質と量、製造できない場合もあるので、
ヴィンテージ宣言は、ぶどうの収穫後18ヶ月経って次のワインの出来を見極めてから行います。
逆に、翌年にさらに質の良いぶどうが収穫できた場合は、
比較の結果、できの良い方のみヴィンテージを宣言します。
熟成期間の近いものを宣言してしまうと、片方の評価を下げてしまうからです。
そのため、ヴィンテージは2年連続で宣言されることはありません。
ヴィンテージは、ポートの製造者ごとに宣言されるので数は異なりますが、
その数は10年に2~3回くらいで、20世紀の100年間でも21~26回くらいです。
ヴィンテージポートを本当に味わうためには、瓶内熟成を待つ必要がありますが
熟成はゆっくりとすすむため、瓶に詰めてから最低でも15年~20年は必要といわれます。
また、良いところで保管すれば、瓶内で50年くらいかけて熟成していくといわれます。
十分熟成したヴィンテージポートになると、色合いもかなり濃い茶褐色になります。
〔テイラー〕[WS92点]キンタ・デ・ヴァルジェラス ヴィンテージポート 1995 8,925円
〔カレム〕キンタ・ダ・フォス ヴィンテージ・ポート[1984] 750ml 5,040円
〔ワレズ〕ヴィンテージ・ポート[1960]WARRE'S Vintage Port 20,215円
ヴィンテージ・ポートがお手元にある場合には、
飲む日を決めてから、開けるまで十分注意しておこなってください。
まず、澱を残したままの瓶内熟成をしている点と、
長期熟成中にさらに瓶内のタンニンや色素が澱となって降り積もってる為、
古いものになると、瓶の底 1/5くらいは澱だったりします。
飲む前には、デキャンタージュが絶対に必要です!
また、古いものはコルクがぼろぼろになっている場合もあります。
ポルトガルでは古いポートの場合、コルクの入っている部分ごと
ガラスを焼ききっていたそうですが、家庭では無理なんでね。(笑)
スクリューブルなどでも、完璧ではなくても比較的うまくあけられます。
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ヴィンテージ・ポートには、いろいろな意味で魔法がかかっています。
天の恵みと人の手、そして時間の経過が生んだ奇跡のワインといえます。
もし、まだ口にされたことがない方がいらっしゃったら、
どこかで、一度ヴィンテージ・ポートをお召しあがりになることを
おすすめします。
時を経た奇跡を味わってください。