【感動的な海亀の産卵】

2007.06.04

カテゴリ：屋久島物語

昨夜、永田の田舎浜に、海亀の産卵を見に行った。
生命の誕生の瞬間に接することは、すごく感動的だ。

どうですか、この海の色。
たまりませんね。
海亀が卵を産みたくなる気持ちがわかります。

海亀は、一回の産卵で100－150個ぐらいの卵を産み、
これを２－３週間の間隔で、2－3回繰り返す。

卵の大きさは、ちょうどピンポン玉と同じぐらい。
見た感じ、かなり弾力性がありそうだ。
そして、砂の温度に応じ、40－70日ぐらいで、孵化する。

不思議なのは、卵の時点では、まだ性別は決まっていないということ。
砂の温度が約29度以上でメス、それより低いとオスになる。
季節や生まれる場所により、性別がさまざまに分散されるわけだ。

孵化した後は、真夜中にみんなで一斉に海へ歩き出す。
これは、１匹づつだと、鳥などの餌食になりやすいので、
みんなで協調することで、生存率をあげようとしているのだ。

生まれたばかりで、こんなことができるのは、
人間より、ずっとすぐれていると感じる。

去年、孵化を見に行った時、遠くで、カラスが小亀を狙っていた。
小亀が、なんとか海までたどり着くのを、必死に応援したものだ。

小亀達が、小さな体で、パタパタと砂浜を必死に歩く姿は、今でも
私の記憶に鮮明に残っている。
あの時は、本当に一匹の小亀から、たくさんの元気をもらった。

それから、２０年ぐらい、大海をさ迷い、又同じ海岸に戻ってくる。
方向がわかるのは、どうやら磁場を記憶するとのこと。
ここまで来ると、亀に畏敬の念を持ってしまう。

そして、生まれた時と同じ海岸に戻って来れるのは、５０００匹に一匹の割合。
つまり、１０頭の親亀が、１５０個の卵を三回産卵して、その内一匹が
戻ってこれるかどうか、という感じだ。
かなり気の毒に思うが、これも厳しい自然の掟なのかもしれない。

心の中で祈った。
「無事、孵化して、２０年後にここに戻って来れますように」

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Last updated 2007.06.05 20:49:32
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