|
カテゴリ:オケ、室内楽、器楽リサイタル
ブラームス:ハイドンの主題による変奏曲 ベルク:ヴァイオリン協奏曲※ (アンコール:J.S.バッハ 無伴奏ヴァイオリンソナタ第2番よりアンダンテ※) ブラームス:交響曲第1番 ハ短調 ヴァイオリン:フランク・ペーター・ツィマーマン※ 指揮:アラン・ギルバート 管弦楽:東京都交響楽団 この日のお目当てはアルバン・ベルクのヴァイオリン協奏曲。この美しい曲の圧倒的な名演奏だったと思います。 ツィンマーマンの作り出す響き、表現は実に多彩で、ヴァイオリンの演奏を聴いていると言うより、名人の朗読か名優による迫真の演技に接している様な印象でした。一部のレントラーやワルツによって描かれるマノンの日常、二部の病魔との闘い~浄化(昇天)のプロセスがまるで映像のように鮮やかに提示されていました。 クラリネットにバッハのコラールが現れた後、ツィマーマンは都響の第1ヴァイオリンの側に身を寄せ、セクション牽引して魂の浄化への移行を奏でてゆきます。エンディングでは独奏ヴァイオリンによるマノンの昇天が描かれますが、これは本当に息をのむほどの美しさでした。都響はこの曲を得意としているらしく、ギルバートの棒の下、申し分ない演奏を展開してくれたと思います。 アンコールにバッハが弾かれましたが、ベルクがあまりにも素晴らしかったため個人的には蛇足と感じられました。 前半だけで帰っても良いほど満足したのですが、後半のブラ1も一応聴きました。情熱的でダイナミックで非常に勢いのある演奏でした。かなり派手にオケを鳴らしていて、少々暑苦しい。こういうのが好きな人も居るでしょうが、私はちょっと苦手かな。都響は巧いオケなので、指揮者の煽りにもしっかり付いて行ってましたが、関西のオケならアンサンブルが破綻していたかも知れません。 ハイドン変奏曲の方は曲の性格もあって、堂々たるテンポで恰幅は良いものの、もっとリラックスした風通しの良い演奏で、私はこちらの方が好みだったかも。 (7/17 サントリーホール) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[オケ、室内楽、器楽リサイタル] カテゴリの最新記事
演奏会だったようですね。
競演陣が凄いので、気にはなっていたのですが、東京へ 出向く財力・体力がありませんでした。 都響も関西公演(名曲コンサートではなく)をやって 欲しいなぁ。 ほうとう (Jul 21, 2011 07:59:24 PM)
>ほうとうさん
はい、素晴らしい演奏会だったと思います。あの内容でB席¥5,500-ですから有り難いものです。 個人的には後半はブラ1でなく、マーラーの交響曲第10番(~アダージョ)か、新ヴィーン楽派の作品を聴きたかったところです。 >都響も関西公演(名曲コンサートではなく)をやって欲しいなぁ。 そうですね。外来オケでも東京で3つぐらいプログラムがあると、関西公演は一番無難な(つまらない)内容になることが多いですから、難しいところでしょうけれど・・・。 (Jul 21, 2011 10:07:54 PM) |
|