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カテゴリ:オペラ、声楽リサイタル
[出演]
ドン・ジョヴァンニ:ジョシュア・ホプキンズ 騎士長: デヴィッド・リー、 ドンナ・アンナ:ミシェル・ブラッドリー ドン・オッターヴィオ:デヴィッド・ポルティーヨ ドンナ・エルヴィーラ:ハイディ・ストーバー レポレッロ:ルカ・ピサローニ マゼット :近藤 圭 ツェルリーナ: アレクサンドラ・オルチク [合唱]ひょうごプロデュースオペラ合唱団 [管弦楽]兵庫芸術文化センター管弦楽団(ゲスト・コンサートマスター:ステファノ・ヴァニャレッリ) ダブルキャストの海外組の公演を観た(聴いた)。 演奏も演出も奇をてらったところは無く、比較的オーソドックスだったが、演出には興味をひかれる部分が2点ほどあった。 ファッションや邸宅の感じからすると、舞台は1920年代のアメリカか? まず最初は、一幕の最初にドンジョヴァンニが騎士長と対決するところ。通常の演出だとドンジョヴァンニの方が圧倒的に強くて、易々と騎士長を殺害してしまうのだが、今回はサーベル同士でやり合うのではなく、ドンジョヴァンニの方は短剣だった。途中でドンジョヴァンニは短剣を落とし、少し傷を負う。レポレッロから渡された二本目の短剣で辛くも騎士長を刺し殺す。 もう一点は、二幕の大詰め、騎士長の石像から晩餐に誘われたドンジョヴァンニが自らの最期だと悟ったのか、レポレッロの口にキスをして永遠の別れをしたシーン。単なる旦那と使用人ではなかったのではと思ってしまう。そう言えば、ドンジョヴァンニ廷での最後の食卓のシーンでは、男娼と思しき俳優(ダンサー)とも戯れていた。両刀使いなのだろうか? 佐渡裕指揮のオーケストラは、オーソドックスなのだが、ここ2,30年くらいで、音楽界のモーツァルト演奏のスタイルがガラリと変わり、モダンオケでもピリオド奏法を取り入れたスタイルが主流になっていると感じる。そういう状況なので1950年代から1980年代まで主流だったような佐渡さんのスタイルはややオールドファッションに響く。大きな不満は無いものの、ドンジョヴァンニの地獄落ちなど、もう少し引き締まったドラマを感じさせて欲しかった。 歌手では表現力豊かなエルヴィーラのハイディ・ストーバーとオッターヴィオのデヴィッド・ポルティーヨのリリカルで美しい歌声が良かった。他の歌手も総じて演技が上手く悪くなかったが、アンナ役のミシェル・ブラッドリーはいただけなかった。とにかく声が大きすぎる!トスカやアイーダではなくモーツァルトなのに、あんなに声を張る必要はないだろう。アンサンブルの部分など、他の歌手とお互いをよく聴き合って合わさなければならないのに、彼女の声が大き過ぎて他の歌手の声が聞き取れない状況に陥っていた。彼女をキャスティングしたのは誤りだし、彼女の勝手にさせてしまったのは最終的には指揮者の責任になるだろう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Aug 20, 2023 12:31:13 AM
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