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特別支援学校の先生より生徒さんのビジョントレーニングの事例を送っていただきました。
1. 児童生徒の実態 ・中学部3年生 男子生徒 ・字を書く際、設定された枠の中に字がおさまらなかったり、漢字の形が崩れたりする。 ・距離感が上手くつかめず、整列する際に立ち位置が大きくずれることがある。ずれる際には距離が大きく離れることが多く、本人の認識としては「(周りの人に)ぶつかられる」という思いから自然と距離が離れている様子。 ・顔から30センチほど離れた位置にある指先ほどの大きさのものを利き手の親指と人差し指でつまもうとした際に、距離感覚がつかめなかったのか何度もやり直してやっとつまむことができた。 ・小学校の頃からアナログ時計の読み取りを練習しているが、今でも正確な読み取りが難しい。 ・模倣運動の精度があまり高くなく、球技等はなかなか球に合わせた動きができない。
2.行ったアプローチと課題の発見、取り組み ・校内で実施できる発達検査を行い、生徒の空間認知に課題があることがわかった。 →空間認知に関する課題やプリント学習を実施。 ・ビジョントレーニングの実施 ※参考「クラスで楽しくビジョントレーニング」 →参考資料をもとにビジョントレーニングを実施したところ、目を使っての追従や視点のジャンプの弱さを確認することができた。 そのため、座学的な学習に加えて眼球運動そのものに対するアプローチも実施した。 教室において定期的に「眼の体操」を実施し、宿題等で行うプリント学習の中にも視覚トレーニングに関わる内容を追加した。また、ゴムひもをつけたお手玉を両拳、両膝、両爪先で叩くという身体の動きを伴った課題にも取り組んでいる。
3.アセスメントからわかったことと、取り組みの成果 わかったこと ・空間認知の弱さの一因として、眼球運動の弱さを確かめることができた。 ・視覚的な問題からアナログ時計の針の位置関係を上手く捉えられずに時計の読み書きに苦戦しており、人との距離感や整列時の位置関係についても視覚的な課題から距離感が上手くとれていないのではないかという仮説がたった。 取り組みの成果 ・矢印・符号合わせの課題においては「眼の体操」の実施後、正答率の上昇が見られた。 ・「眼の体操」に継続的に取り組んだ結果、眼球の動きが春と比べて向上した。また、両眼とも上手く動いていなかった時と比較して左右の眼の動きに違いが出てきた。右眼と比べて、左眼の動きがあまり見られない。 ・「眼の体操」と合わせて行っているお手玉の課題では、両拳、両膝でお手玉を捉えられる回数が増えた。また副産物として身体の動かし方への認識が少しずつ向上した様子が見られ、ランニング時のフォームが少し変わり(膝が少しずつ上がるようになってきている)、模倣運動における身体の動かし方が良くなってきた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020年03月10日 16時38分58秒
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