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カテゴリ:エミリア・ロマーニャ州のワイン
一口にエミリア・ロマーニャといっても、もちろんそれはイタリア
の事。いかに大平野=ポー平野が広がる地方といっても、風景は決して モノトーンではないし、そう単純に画一的なワイン地図を描くことは 不可能です。 第一、エミリア地方とロマーニャ地方は全く違うどころか、ある種の ライバル関係、敵対関係にある、といっても過言ではないし、ワインや 食文化の地図に至っては、歴史や地勢を踏まえた、もう少し複雑で 面白い地図が必要になります。 wikipediaで「エミリア・ロマーニャ州」を検索すると、州全体と 各県が綺麗に色分けされた地図があります。その県の名前を見ている だけでウキウキしてくるのは僕だけじゃないでしょう(^^) Piacenza ピアチェンツァ県は北はロンバルディア州のパヴィア県、西は ピエモンテ州のアレッサンドリア県、南はリグーリア州のジェノヴァ県、 東は同じくエミリア州のパルマ県と接しています。 ピアチェンツァと言えば、やはりジョルジョ・アルマーニ! サッカー好きにはたまらないフィリッポ・インザーキ! 映画好きにもたまらないマルコ・ベッロッキオの出身地です! 食文化で言えば、お隣のパルマの生ハムやクラテッロなどのサルーミ(豚加工品) の存在に隠れていますが、超立派なサルーミ文化があります。特に コッパ・ピアンチェンティーナ サラーメ・ピアンチェンティーナ パンチェッタ・ピアンチェンティーナ は、いずれもDOP。 ワインの話は後でパルマといっしょに(^^;) それでお隣のパルマ県ですが、美術はもちろん、まあ食文化から音楽から映画から 世界の脚光を浴びる場所ですよね。 音楽ならもちろんこの人。ジュゼッペ・ヴェルディ!! イタリアオペラの代名詞!今年生誕200周年だかで日本でも公演されます よね! 20世紀最大級の指揮者と言われるアルトゥーロ・トスカニーニ!! 映画ではやっぱ、ベルトルッチっしょ!!
絵画の世界で言えば、パルマは「コレッジョの街」です!!
16世紀からイタリア統一の19世紀までの激動期に 「パルマ・エ・ピアンチェンツァ公国」 Ducato di Parma e Piacenza という国家が成立していました。 なので、エミリア・ロマーニャの西半分、ボローニャより左を エミリア地方と言いますが、その西半分も、ピエモンテ側の ピアチェンツァ&パルマと東のレッジョ、モデナ&ボローニャに 分ける方が、文化的に見ても良さそうです。 それで特にそれを強烈に感じさせるのがワインの存在なんです!! ピアチェンツァ&パルマの伝統的ワイン群には コッリ・ピアチェンティーニ DOC グットゥルニオ DOC オルトゥルーゴ DOC コッリ・ディ・パルマ DOC の4つがありますが、どこからも「ランブルスコ」の「ら」の字も出て 来ない。かろうじて、コッリ・ディ・パルマにマイナー添加用として 名前が出る程度です。 エミリアといえばランブルスコと誰もが思う事なんですが、実は違うんですね。 ならば何があるかというと、これがまた面白い!ピエモンテの影響&戦後の 量産ブームで耕作地を広げたバルベーラがある。 古代ギリシャ人、あるいは古代エトルリア人がティレニア海から河を逆流して もたらしたという説もあるマルヴァジア・ディ・カンディア=つまり クレタ島のマルヴァジアがあります。 更に面白いことに、このマルヴァジアにしてもグットゥルニオにしても、 伝統スタイルとしてはランブルスコ同様に、発泡した状態で頂くんです。 地中海のイタリアとしてのアペニン山脈を北に越えて、アルプスの麓のイタリア に近づくと気候条件がひとつ厳しくなる。冷涼化すると、オリーブオイルより バターが重宝する。 平野部なので、農業、酪農が楽に展開できて、豚加工品の技が磨かれる。 そんな条件の下に受け継がれてきたヘビーな食文化に対応するように微発泡 ワインの文化がヴァリエーションの華を咲かせながら存在していることに 胸がときめきます。 そのランブルスコとは違う発泡文化を想像しながら、このチルコロで ブラヴーラシェフのコウジ君と表現した前菜でのコンビネーションは エミリア地方のサルーミとチーズ&バルサミコ酢の盛り合わせ &ニョッコ・フリット そしてワインは前述のマルヴァジア&グットゥルニオ
残念ながらグットゥルニオは写真表示できませんが、どちらも素朴で 果実味もありながらも、昔ながらの、葡萄の「えぐみ」「苦味」を感じさせる 味だと思います。 それがまた料理との相性で絶妙の役回りをしますし、ニョッコ・フリットの サクサク感とワインのピチピチ感の相性も抜群になります!! ピアチェンツァやパルマの人たちが、実に普通に日常的に、また伝統的に 食してきた味わいが目の前に広がっていました(^^) ワインに感じられる甘味はサラミ類の保存食としての強い塩気を和らげ ますし、この甘さと塩気の、まさに画竜点睛的な「対」は、とりわけ 目を剥いて「美味しい!」というものではないにもかかわらず(^^;) マリアージュに欠かせない点だと思いました。 以上のような世界をチルコロ=ブラヴーラという空間で、イタリアや食文化に 興味のある人たちと喜びを分かち合うって、不思議で楽しい事だと思います! パスタ&メイン料理に関しては、また明日! あなたもおいでよ! 次回は5月14日(火)ヴェネト(ヴェネツィア周辺)特集です! ご興味お有りの方は、viteitalia@gmail.com までご連絡を(^^) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2013/04/12 01:59:10 PM
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