西本智実の虚飾?
週刊朝日が「美貌の女性指揮者・西本智実の虚飾」と題した記事をなんと9ページに渡って掲載している。 巻頭特集でさえ6ページだから、かなり力の入った特集記事だ。かいつまんで見ると、・自己の経歴詐称(色々あるが、マリインスキー劇場の指揮者だったとは偽り)・楽団の経歴詐称(ロシア国立ボリショイ交響楽団ミレニアムは、国立ではなくよく似た名前の民間楽団)・ファンの女性(複数)に対して暴行を加えた疑い 等々、色々出てくる。笑ってしまったのは経歴の中に99年、「聖スタニスラフ勲章」を「ロシア国民の強い支持で」受賞したとあるが、実はこれ、一個15万円で勲章の利権を買い取った関西の会社会長から「個人的に」いただいたのが真実、という話。 CDなどの経歴書には「ロシア国民の支持で」と書いてあれば、勲章に縁の無い日本人は「すごいなあ」とすぐ納得してしまうのではないか。15万円で勲章授与の権利を買えるとはまたけったいな商売もあったものだが、この勲章授与も経歴詐称になるのかなぁ。 西本はここ数年、ボリショイ管弦楽団ミレニアムを率いて颯爽と登場し、「美貌の女性指揮者」として結構有名になった。先月はチャイコフスキー未完の交響曲「ジーズニ(人生)」の補筆完成版日本初演ツアーを敢行し、会場は満員だったらしい。しかもファンの多くは女性で、「指揮界のオスカル」とまで云われているらしい。ブログなどで見る演奏会評は殆どが絶賛しているが、私はその実力には疑問を感じている。 私は彼女のショスタコ「5番」のCDを聴いたけれどこれはかなりひどいシロモノだった。流れが悪く、メリハリも無く、なおかつ指揮者も楽団も楽譜をこなすので精一杯という印象を受けた。 しかし私はこの記事を読んで逆に西本を応援したくなった。山のような誹謗中傷告発(どうも殆ど事実のようだが)記事の最後で、西本自身は「舞台で私を判断して」と語っている。そのとおりだ。かのバーンスタインは○モで若いときかなり素行が悪かった。ベー○の毒舌は周囲から辟易されていた。それでも彼らは「舞台」での実績で周囲の雑音を封じ込んだのだ。西本もそうすれば良いではないか。 とはいえ暴行や詐欺の類はまずいけれど、経歴詐称なんてクラシック界では朝飯前。みんな何かしら誇大に申告しているものなのだ。指揮者にとってとにかく大事なのは「いい音楽を作れるか」ということ。とにかく聴く者を納得させてくれればいいのだ。 品行方正なお方達が多い今日のクラシック界に彗星のごとく?現れた大問題児、西本頑張れ~!!経歴も素行も下半身も関係ない。いい音楽を聴かせてくれれば、私は応援します!(あのタコ5じゃあ無理だけど) ご興味のある方は是非!西本智実/ショスタコーヴィチ:交響曲第5番 こちらもクリックいただけましたら幸いです