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neko1990

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2007.11.04
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カテゴリ:その他乙女ゲーム
右良し、左良し、上良し。
念の為に、もう一度……良し。
まあ、いるはずはないのだ。自分たちは教官の都合で自習になったが、ここの主と目されている相手は、他の学年の授業中なのだから。







「う~ん、どうしよう」
背中をアヴィオライドに預けて、サユリは呟く。

手にしているのは、ラッピングされた包みが二つ。
「好みからいえば、絶対こっちだよね」
視線の先には、細長い包み。
PXのカラミティさんにお願いして、仕入れてもらったドイツワイン。
訳は訊かれなかったが、思いっきり意味ありげな笑いをされた。


「でもなぁ」

ラッピングは相手の好みとかを考えて、渋めの色合いにしてある。
…とか、そう言う事ではなくて。

「やっぱりなぁ…メインはこっちなんだけど」
ふう、と溜息一つ。
二つ置いておけば良いのだけれど、そのつもりで両方持ってきたのだけど。
「きっと、今日の日の意味も知らないだろうしなぁ」
そうだろう、あのイベントは日本独自のもの。
同じ日本人のシロウでさえ、インド育ちで知らなかったのだから。
まあ、他の女の子達には事前に話してあったから、面白がってノッてきたけれど。
いや、この際『義理』のメンバーはどうでもいいのだ。

教官と生徒。

嫌われてはいない…と思う。
休みの日などは、誘えば付き合ってくれるし、たまに向こうから誘ってもくれたりする。

生徒以上、恋人未満といったところか。

仕方が無い。年も離れているし、向こうだって立場と言うものがあるだろうから。

それに、きっと。

「子供だと思われているだろうしなぁ」
「子供だな」
突然聞こえてきた声に、サユリは慌てて振りかえった。

「自習とは自ら学ぶことだ。その時間にこんな所でぼぉっとしているような奴は、子供以外の何者でもないな」
「シュタイフ教官…何時の間に」
背中を冷たいものが流れる。もう、そんな時間なのだろうかと、時計を見ると、授業時間は終ってはいない。
彼女の怪訝そうな表情に気が付いたのか”ああ・・:”と、呟いてシュタイフは苦いものを、噛み潰したような顔をした。
「レゾナンスが上手くいっていないにも関わらず、無茶をしたバカがいたのでな、授業を終らせてもどってきたのだが……」
バカはここにもいたな。との言葉に、サユリは俯くしかなかった。

「すみません。すぐ、教室に戻ります」
きびすを返して戻ろうとしたとき、不意に腰を引き寄せられた。
「どうした、私に用があったのではないのか?」
耳元で囁かれる声に、サユリは首まで赤くしながら、持っていた包みを渡す隙をついて、逃げ出そうとし……失敗した。

「誕生日は、まだ先のはずだが?」
片方の腕をサユリに回し、もう片手で二つの包みを持ちながら、シュタイフは少女に声を掛けた。
「…できれば、細かい事はお訊きにならずに受け取っていただけると嬉しいんですが…」
俯いたまま、小さな声で言う少女にシュタイフは目を細める。

「日本というのは不可解な風習があるところだな」

え!?と、体を捻るサユリに男は唇を上げる。
「日本人の生徒は今までに何人かいたからな」
くくくくと、喉で笑って渡された包みを見る。相変わらず、真っ赤な顔をしたサユリを腕の中に抱えたままだ。
「これは酒か?…全く未成年のクセに」
捻った体を元に戻し、少女はひたすら下を向く。そんな彼女の髪の毛に軽くキスをすると、シュタイフは器用にサユリを自分のほうに向け、頤に手をやる。

軽くついばむようなキスに、少女は慌てて目を閉じる。

小さなキスを、やがて角度を変えながら深いものへとしていくシュタイフに、いつもと違うものを感じ、抗う少女をいっそう強く抱きしめ動きを封じる。
やがて、ぐったりして、体を自分の方に預ける少女に、男は満足げに唇を離すと、小さく耳元に囁いた。



「お返しは来月だったな。楽しみにしておけ」




                                          





過去の遺物です(笑)時期はずれもはなはだしいのですが、閉鎖記念に。

と、いうわけで今月いっぱいでここは閉鎖いたします。
今までお出でくださった皆様に深い感謝を。










最終更新日  2007.11.04 15:02:28



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