バタフライ「今まであれをバッタだと思っていたなんて信じたくないわ」と思う日までの恥ずかしい記録。 ブレストのキックの練習のつもりが何度も「ドルフィン?」と尋ねられてその度になんのことやらわからなかった日々。 バタフライ=ちょうちょ ドルフィン=いるか 二つの動物に共通することがあると知らずにプールにいた日々。 そんなことなら、ええいバタフライも習ってやれ!と参加。 第一キックだの第二キックだの説明を受けても混乱するばかり。 コーチが見せてくれたとおりにすればいいだけのことだった。 そこにどうやって腕をぱたぱたさせるのかはわからないまま。 やってみたらできた。 両脚を一度に振ることとキックという言葉を結びつけるのは今も難しい。 なんたって気分はジュリア・ロバーツ、キックよりスプラッシュの感じだもの。 *に力。それだけ。 顔が上がるのがわけもなく嬉しい。 ベテランの人に「真似事ができるようになったら、なんだかあれ、妙に楽しくて、顔が上がるたびにへらへら笑っちゃって息を吸う暇が無いんです」と打ち明けたら、「わかるわかる、なんかわけもない達成感があるよね」と同意してくださった。 25メートルはなかなか辛い。一掻き分残して立ってしまう。 同じコーチに、この同じことは前回も教わったのを思い出した。 顔を上げてからもう一度キック。そうすると完全に浮き上がる。そうかー。キックだけで体を起こしてたから辛かったのか。 25メートルたどり着く。続けてコースを変えてもう一度。もう一度。 3本目は半分で立ってしまった。 平泳ぎの選手が「今度は苦手なバタフライに出ることになっちゃった」とこぼした。意外な気がしたが、やはり違うらしい。 「まだ始めたばかりだけど、顔が上がるのが楽しいからバタフライは好きだわ」と言ったら「え?顔は上がらないよ」と答えてバッタになって行ってしまった。直後、常連のオジサマが「あのう、ワタシ素人なんですけどもね、さっき、貴女がバタフライで泳いでらしたときに、水面から胸が出てて顔が正面でしたよね、今、あの選手の方の泳ぎを見ていたら、頭がちょっと浮いて顔は下向いてましたよね、その方が速いように見えましてね、、」 選手と比べてもらっても困る。が、素人と自負する人の有り難味はこれだ。あーだこーだと読みやら見解を抜きに、素朴に見たままを言って下さる。 25メートル泳げないのはうねり過ぎ、水上の動きが多すぎるせい。たぶん60メートル分くらい泳いでいるのだろう。 水中で目だけで見上げて首まで出してすぐに下を向く。意外に呼吸が楽になった。正面を向いていたときには顔を伝って口に水が入ってしまっていたが、下を向けばそれが無くなる。そして25メートルが楽になった。 でも、なんか楽しくない。 なんか楽しくないままフリーレッスンに参加。 「第2キックを打っていませんね」 自覚は無かったが、上体を水上に出さないのならそんなもの打つ必要も無いというケチくさい魂胆かもしれない。、、、違うったら。 そして。もう恥ずかしくなったが、思い出す手がかりのために残しておく。 これから涙と鼻水の本編が始まる。 ジャンル別一覧
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