2007/10/11(木)22:17
唖然!?(OZの迷宮)
Ozの迷宮 柄刀一 (2006.8.13読了)
8編からの短編集です。でも、厳密にはあとがきも重要な1編と考えられそうなので、9編かしら。。。
密室の中で矢で殺されたり、自分の描いた絵の中で溺れ死んだり、地中からケンタウロスとおぼしき遺体が見つかる!さて、真実は!!
とにかく短編集なので、どこから読んでも短編としてのおもしろさは堪能できますが、
絶対順番通りに読んでください!!!順番通りに読むことで、「唖然!!」とする仕掛けが施されています。
そして、「本編必読後のあとがき」とあるように決してあとがきをはじめに読んじゃいけません!
私は、結構あとがきを最初に読んでしまいたいタイプなので、ちら~と覗いてしまったの。
そこには衝撃的な一言が!!
いやはや、読み終わった後だと別になんてないんだけど、ちょっぴり後悔しました。
ここからはネタバレですので未読の方はご注意下さい!(反転してお読み下さい)
まず「密室の矢」「逆密室の夕べ」で完全に信頼を勝ち得た鷲羽恭一が「獅子の城」でああいう退場の仕方をするとは。
実は1番驚いたのはここでした。
もちろん「わらの密室」でも「ここまでするか~」と思ったけど、あとがきで「月下の死」という衝撃的な一言を見てしまっていたので、
「えっ、ホントに??やだ~やめて~」と結末を覆して欲しいという願いを込めて読んでいただけで、驚きはしなかった。
(これが残念だな~きっとめちゃめちゃ驚いたろうに。。。)
月下二郎はお気に入りになりつつあったので、特に悲しかったです。
うまいな~と思うのはどちらの探偵役も2事件を解決して、読者の信頼を得た頃に退場させるところですね。
最後のあとがきでこの小説は鷲羽が3人目の探偵役「南美希風」にあてた小説で、
この変な名前(美希風ってね~と思ってたのよ)が仮名であり、本人には自分のことであると分かるはずだと書いてます。
これは読者には分からないのかしら?
思わず小説の中の誰かなのかな~と探しそうになりました。
さて、実はこの短編集の仕掛けは十分堪能できたのですが、どうも柄刀さんの文章が苦手です。
前にもゴーレムの檻を読んだのですが、その時も非常に読みにくいと感じました。
海外ミステリを下手な訳で読まされているような感じで、いまひとつ状況が思い浮かばなかったり、
大がかりなトリックが得意らしいのですが、トリックを説明されてもよく理解できなかったりで、
私は柄刀作品の本当のおもしろさを多分感じ取れていないと思います。
(ようするに、私の想像力が貧困なだけなんですけどね・・・)
もともと物理的トリックが苦手な私にとって柄刀作品はなじまないのかもしれません。
だから、今回の中ではトリックではなくロジックが秀逸だった「イエローロード」が1番おもしろかったです。(これは本当に面白かった!!)
「OZの迷宮」も「ゴーレムの檻」も他の方の評判は良いようなので、興味のある方は、私の戯言は無視してくださいね~
TBさせて頂いた日記
まみむメモ(@かぼちゃさん)