2007/03/07(水)00:16
厭魅の如き憑くもの(三津田信三)
厭魅(まじもの)の如き憑くもの 三津田信三(2007.3.4読了)
うぅぅん。すごい題です。「厭魅」で「まじもの」なんて絶対読めないよ~
題もおどろおどろしいし、表紙もおどろおどろしい。。。
多分、普通だったら読まないと思う。
でも、「本ミス」の3位なんですよね~気になる。。。
紹介文読んでも、かなり絶賛なのでホラーミステリなら大丈夫でしょう~と読みました。
同じく「このミス」1位という理由だけで読んだ独白するユニバーサル横メルカトル(→感想)は微妙でしたが。。。(懲りてない)
憑き物筋の「黒の家」と「白の家」の対立、「神隠しに遭った」ように消える子供たち、生霊を見て憑かれたと病む少女、厭魅が出たと噂する村人たち、死んだ姉が還って来たと怯える妹、忌み山を侵し恐怖の体験をした少年、得体の知れぬ何かに尾けられる巫女―。そして「僕」が遭遇した、恐るべき怪死を遂げてゆく人々と謎の数々…。奇才が放つ、ミステリーとホラーの禍々しい結晶、ついに昇華。(「BOOK」データベースより)
これは、まさに横溝作品の匂いがぷんぷんします。
私は、やっぱりこっち系の和風ホラーの方が怖いみたいです。
少なくとも「独白する~」よりトイレに行きたくなくなりました。(笑)
でも、「ホラー」と言うほど怖くもなかったので、ホラーが苦手な方も大丈夫だと思います。
さて、三津田さんはすごく雰囲気作りが上手な作家さんだなと思いました。
戦後の時代の変化から取り残された村の雰囲気、オカルト的な現象を自然に受け容れそうになる雰囲気。
「厭魅(まじもの)」が出てきてもおかしくないような舞台が出来上がってるんですよね。
もちろんホラーミステリと読む前から分かってるので、これらがどのように解決されるか
と言うことに興味を持ちながら読む楽しみもあります。
で、面白かったかというと。。。。
ごめんなさい。私はあまり楽しめませんでした。
どうも、重厚な文体が私には合わなかったようです。漢字も多いし~(笑)
古い因習のある村という感じは文体からもにじみ出てるのですが、
お馬鹿な私には少々物語の中に入り込みにくかったです。
後、道の様子や、建物と人物の位置とかが詳しく書かれていて、またそれが事件の真相と
密接に関わりあったりしてるのですが、こちらも空間認識力に乏しい私としては、
きっちりと頭に描くことが出来ない上に、ついめんどくさくって読み飛ばしちゃうので、
真相がわかっても「あっ、そうだったのね~」と思うぐらいであまり驚けないのが悲しい。
とは言え、「染 巫神堂」のラストでは十分に驚かされました。
どこかで読んだことのあるトリックではありましたが、この作品の雰囲気と相まって、
何となくじわ~っと恐怖が。。。
たくさんの視点で書かれている作品ですが、(ネタバレ反転→)結局「神の視点」だと思っていたところも全て一人称だったと言うことですよね。これ、なかなか面白いな~と思いました。
私は、相性があまりよろしくなかったですが、伏線回収もきっちりしてる(みたい)し、
横溝風のホラーミステリが好きな方は、楽しめるのではないでしょうか。
TBさせて頂いた日記
まみむメモ(@かぼちゃさん)