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カテゴリ:アンサンブルクオーレ
人生最後(・・・もう頼まれてもやりませんよ!)の、 コンサートマスターとしてのステージが昨日無事に?終了しました。 私がもっとも信頼する聴衆であるうちの奥さんとヴァイオリンの師匠から、 特にメインで演奏した「英雄」についてお褒めの言葉をいただけました。 師匠からは「もっと入場料上げてください。もったいない。」とも・・・ 年度末の仕事が多忙を極める時期とも重なって、 コンマスとして舞台に立つための練習は、体力&気力を著しく消耗し、 加えて五十肩で腕を上げるのもつらいわで・・・ 共演者の誰かが言ってましたが、“満身創痍”で迎えたコンサートでした。 ですが、頑張っただけの意味のある本番にはなったと思っています。 満足とまでは行きませんが、 それなりにコンマスとしての花道を飾ることはできたのではないかと・・・ まず心がけたことは、力づくの「自己満足」の演奏にならないこと。 そして、ベートーヴェンが楽譜に込めたメッセージを、 どこまでも真摯に受け止めて、可能な限り正確に伝えようとすること。 そうやって取り組んでいくと、 世の中にたくさん出回っている派手に演出された「英雄」が、 とても嘘くさいものに思えてくるんですね。 一般にクライマックスと思われがちなフレーズに、 実はf(フォルテ)が1つしか書かれていなかったり(ffでは無い!) 同じく相当な強音で演奏されがちなsf(スフォルツァンド)表記が、実は、 全体としては弱音で奏でるパッセージの中の“強調”でしかなかったり・・・ ベートーヴェンがそのような表記で書いた意味を前向きにくみ取りながら、 押しつけがましく盛り上げることは絶対にしないよう注意を払いました。 それで、自分のパート(第1ヴァイオリン)のことを言うと・・・ 音域が高く、弦の他のパートよりも音が客席に届きやすい第1ヴァイオリンに、 本気の全力で弾いて良い箇所なんていくつも無いってことに気づくわけです。 音楽監督の急遽の転勤や、大雪での大事なリハの中止といった不運もあって、 本番に向けて準備できる期間はとても短くなってしまいましたが、 こうした思いが、これまでになく出演者同士で共有できたと感じました。 そして、その思いとても正確にくみ取った感想を寄せてくださったのが、 ほかならぬヴァイオリンのお師匠さんでした。 「声高に叫びまくる押し付けがましい演奏ではなく、 自然に心の奥深く染み入ってくる音が紡がれていました」 私とは兄妹弟子の関係にある☆えばさん宛てのメールの一部の引用です。 考えてみると、 ヴァイオリンパートの出演者の半分以上が同じ門下生だったのですねぇ。 さて、私自身の今後のことですが・・・ これで今年のオーケストラの本番は、今予定されているもので残り3本です。 今週は練習のペースを少し落として、まずは体調を整えたいと思いますし、 これから先の音楽活動の進め方についても改めて考えてみたいと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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