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2004/08/03
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カテゴリ:石の写真について

背筋がぞくりとする美しさ。

そんなものがあるのだと、再確認してしまいました。
「怖いほど美しい」といいますが、
その「ぞくり」ではなくて、一歩間違えば「キモチワルイ」に
なってしまう美しさ。

言ってみれば、昆虫などを超アップの映像で見たときに、
「うひゃあ~(トリハダ)」と思いながらも、
精緻な自然の造形に目が離せなくなる、
あの美しさ。
そんなものに自分が弱いのだとは、
ちょっと思いたくないのだけれど、
どうやらそうも言っていられないらしいのです。

そもそも私の石に対する好みというのは……
毎度繰り返しているのでこの際省略しますが、
整ってきれいな石、ではないことは確か。

欠けもなく透明で、水晶という結晶の見本となるような石より、
ごつごつ、ガタガタした複雑な結晶の方が好きなのです。
そんな中でも、特に好みの結晶のしかたがあることには、
うすうす気づいていました。

まず、そんな好みに当てはまると思われたのが、
カテドラルです。

このカテドラル(カテドラル・ライブラリー/大聖堂)という
名前(俗称)を持つ結晶は、
専門的な言葉で言うと双晶とか連晶とか言われるものだということです。
つまり、複雑な形を持つこの石は、ひとつの結晶ではなく、
いくつもの結晶がぎゅっと固まって育ち、
ひとつの石の形を作り出していると言うのです。

そう、どうやら私はこのテの結晶の弱いらしいのです。

さらに私の好みのツボを突く石も見つかりました。
ロシアや日本の青森など、比較的北の方で見られる(ような気がする)結晶です。
説明するより何より、写真を見ていただきましょう。



1は、「アスパラガス」水晶の先端部分。

2は、青森の尾太鉱山の水晶

3は、ダルネゴルスクの緑水晶のアップ

4は、ブラジル産のエレスチャル

5は、シベリアのスモーキー

6は、ブラジル産のスモーキーカテドラルのファセットです。

7・8・9はちょっとお待ち下さい。

6についてはすでに話題にしましたが、
このファセットを見るとわかるように、
ひとつの面に入るひびのようなものが、
ひとつひとつの結晶の境目です。

では、1、2、4、5の共通点がおわかりでしょうか?
そうです。やはりいくつもの結晶が寄り集まって
それぞれの形を残しながら、大きなひとつの形を作ろうとしています。
(あくまでもひとつの面を作ろうとしているあたりが、
キャンドルクォーツと異なっています)
まさしく、こんな風に部分を見ても全体を見ても、
鑑賞に堪える石なのです。

5のシベリアのスモーキー(一見まっ黒でモリオンの名前で売られていた)は、
そんな特徴が良く出ています。
この石の写真を見た石屋の人は、

「平行連晶だね」

と言っていたので、専門的にはおそらくそう言うのでしょう。
平行連晶について調べてみても、
平行して同じ方向に成長した結晶のこととしかわからなかったので、
ちょっと心許ないのですが……。

水晶の結晶構造は、分子が螺旋を描いているのだと言われますが、
螺旋がいくつも絡み合ってひとつの形を作るさまは、
まるで生き物の遺伝子のよう……。

……とここで終わっていれば、冒頭のように
「認めたくはないけれど」などと嘆きはしません。

ぼやき路線に入るのは、3のあたりからです。
3は、緑水晶のファセットに浮かぶ逆三角形です。
画像の右側が結晶の先端の方向で、
逆三角形模様は、たくさんの結晶が寄り集まったその隙間のように見えます。

古来、三角形が並んだ図形というのは、
「鱗」をイメージさせることが多いようです。
歌舞伎などでも、「道成寺」で大蛇に化けるシーンでは、
役者は三角形の連続模様の衣装を身につけます。

このとき、ロシアの昔話では、緑の蜥蜴は山の女神を意味すると言う話を聞いていたため、
私はこの三角形模様を
「鱗みたい♪」
と思っていたものです。

しかも、逆三角形模様は、「トライゴーニック」と呼ばれ、
珍しいものであると聞いていたので、
喜んでさえいました。

ところが……
問題は、7、8、9です。
これはひとつの石で、8が全体像。
ポルトガル産の水晶です。
産地の珍しさと、すでに持っていたロシアの白水晶
(白水晶というと、透明な一般的水晶を指しますが、この場合は、白くて不透明な水晶)
に似ていたので、比較して産地の特性がわからないかと買い求めたのです。

……で、例によってお近づきの儀式=写真撮影です。
全体像を撮り、けっこう欠けが多いことを残念に思いながら、
一番大きいポイントのファセット部分をアップにしました。

ぞくっと来ました

そこに写っていたのは、7や9のような、
ひとつの面を構成しながら、
なおかつひとつひとつの存在を固持している、
無数の結晶。

光の反射で浮かび上がったそれは、
まさしく鱗。
くねり動く蛇の体に、光の反射で一瞬浮かび上がった
鱗の輝き。

怖いような気がするけれど、
キモチワルイかもと思うけれど、
なぜ、ここにこんな造形があるのか、
どうしてこんな小さな所まで精緻に形作られているのか、
同じ水晶で、なぜこんなにも表情が違うのか、
どんな環境がこんな結晶を生み出したのか、

こもごもの思いで目が離せなくなってしまう。
そう……これは「美しさ」だと思います。

ちょっとトリハダたちましたけど(笑)











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Last updated  2007/12/01 12:56:12 AM
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