テーマ:天然石のある生活(460)
カテゴリ:石について考える(調べもの中心)
今日のネタは、ミネラルショーで得た形のない戦利品です。
某石屋さんにお聞きした、ちょっと面白いお話をご紹介しましょう。 石好きさんにおなじみの水晶に右と左があるのをご存じでしょうか。 水晶は、化学式で表記すると「SiO2」。 1個の珪素と二つの酸素が水晶を構成する一番小さなパーツです。 このパーツが組み合わさって水晶の形をつくっていくわけですが、 このとき、水晶の最小パーツの並び方は螺旋を描いていて、 この螺旋の向きに右回りと左回りがあるのです。 「なんだか難しくて面倒くさい……」 なんて思わずに、もうちょっとだけおつきあいを。 何を隠そう、私もこの話を聞いたときは、 なんて難しそうな話だと思いました。 でも、面白くなるのはここからです! とりあえず、ここでは水晶に右と左がある、ということだけ、 覚えておいて下さい。 「自然界における右水晶と左水晶の割合は、だいたい半々なんだけどね、 最近はそのバランスが崩れてきているんだ」 ……とその石屋さんはおっしゃいます。 その原因は、なんと「人工(合成)水晶」なんだそうです。 人工水晶には、「練り水晶と「合成水晶」があります。 「練り水晶」は、水晶の破片を溶かして固めた、「原料が水晶のガラス」ですが、 「合成水晶」は、水晶が結晶する条件を人工的に整えてつくったものなので、 天然の水晶と同じように結晶しています。 ところで、水晶には結晶の構造が右螺旋のものと左螺旋のものがあると書きましたが、 これはすべての水晶に当てはまります。右螺旋でも左螺旋でもない水晶というのはあり得ません。 これは、合成水晶でも同じです。 ところが、天然の水晶は右と左が半々なのに、 合成水晶はすべて右水晶なのだそうです。 合成水晶は、時計をはじめ、さまざまなものに使われています。 つまり、極端に偏った水晶に囲まれていることで、 いろいろなところでバランスが崩れてきているというのです。 バランスをとるために、左水晶を探してくれと言われるよ、と その石屋さんは言っていました。 (※別の方から聞いた話では、西側(自由主義圏)の工業的な人工水晶はすべて右水晶で、 東側(旧共産圏)の人工水晶は左水晶なのだそうです。最初に規格を決めたときに反対になってしまったとか……) 人工的につくられた水晶によって、バランスが崩れてしまうというのは、 なんとなく納得できるような気がしませんか? はっきりとした原因はないのに調子が悪い……というのも そのバランスの崩れかもしれないと言われているのだそうです。 でも、右水晶とか、左水晶とか、やっぱり難しそう……と感じるかもしれませんが、 たぶん、知らないうちに水晶の右と左を区別しているかもしれませんよ。 まず、右水晶と左水晶の図を見ていただきましょう。 水晶の形の基本は、6つ柱面と6つの錐面(ファセット)です。 (DTの場合はさらに6つの錐面) しかし、自然界ではそんな整った水晶はほとんどなくて、 たいていは、他にもいくつかの小さな面が現れます。 図で黄色く色がつけてあるような面のことです。 これが右側にあるか、左側にあるかで右水晶が左水晶かがわかる場合があります。 (この図そっくりな面とは限らないので、私もなかなか見分けが付きません) クリスタル用語で、「タイムリンク」というのがあります。 水晶の柱面と錐面(ファセット)の間にある、平行四辺形の面のことで、 この面が右に傾いていれるものをフューチャー・タイムリンク、 左に傾いているものをパスト・タイムリンクというそうです。 それぞれ未来や過去の情報について瞑想するために使われるそうですが、 それはさておき、 もう一度図を見て下さい。 このタイムリンクの面は、水晶の右か左かを示す黄色く色づけされた面である可能性が大です。 つまり、右に傾いたフューチャー・タイムリンクは右水晶、 左に傾いたバスト・タイムリンクは左水晶というわけです。 あ、書くのを忘れていましたが、 右水晶と言われる石の結晶の構造は左回りの螺旋、 左水晶の構造は右回りの螺旋と、 名前とは逆なんだそうです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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