テーマ:天然石のある生活(460)
カテゴリ:ブラジル産
先日の雑記で、レムリアンシードの話が出ました。
繰り返しになっちゃいますが、 レムリアンシードの特徴は、ほんのりピンクと柱面の横筋です。 ピンク色の正体は、どうやら酸化鉄らしいと言うことになっているようですが、 「レムリアン・リッジ」とか「バーコード」とか呼ばれている、 あの横筋はどうやってできるのでしょう? うちのレムリアンの横筋は、{筋」どころではなくて「階段」みたいになっちゃっていますが。 これもどまでにくっきりはっきり刻まれているのに、 柱面の一面置きに刻まれているのは何故でしょう? うーん、うーんと考えていたら、面白い説明を見つけたので、 ちょっと考えてみたいと思います。 保育社の「カラー自然ガイド 鉱物~やさしい鉱物学~」(益富壽之助著) と言う本に載っていた説明です。 諸般が昭和49年なので、もしかしたら新しい説が出ているかも知れませんが、 柱面の横筋のメカニズムが説明されているのを初めて読んだ本です。 引用を交えてその節名をご紹介します。 まず、柱面の横筋を専門的には成長線」(横条線)といいます。 成長の痕跡が残るなんて、まるで年輪みたいですね。 さて、そもそもの疑問は、なぜ、成長線ができるのか……ということ。 この本によると、「柱面とその上下にくる菱面体とが、細かく繰り返しているため」 ……だそうなのです。 ちょっと説明を加えますと、「菱面体」とは、錐面、つまり水晶の先端部分の斜めの面のことです。 柱面と錐面が細かく繰り返すとはどういうことなんでしょう? 頭をひねって私なりに理解をしてみました。 (なので、正しいかどうか自信がありません) ファントムなどでわかるように、水晶はタケノコの皮のように 一層一層重ねるように大きくなっていくと考えられます。 また、水晶が成長する熱水の濃度によっては、 スケルタル(層状のエレスチャル)のように結晶の角の部分がより成長しやすいようです。 このことを踏まえて、一層一層成長する結晶が、微妙な熱水の濃度によって、 錐面と柱面の境がわずかに余分に成長したと考えたらどうでしょう。 余分に出っ張った分、下向きの錐面の一部が形成され、 それが重なれば「柱面とその上下にくる菱面体とが、細かく繰り返す」 ことにならないでしょうか。 つまり、こんな感じ↓で ソロバン型水晶がたくさん積み重なってその縁だけが現れている ……という感じにならないでしょうか。 それが、横筋になったと考えると、なんとか納得できそうな。 でも、横筋は、一面おきに現れます。 これはどう考えればよいのでしょう? そこで引っ張り出したのが「ブラジル式双晶」です。 水晶には結晶の向きによって右水晶と左水晶があり、 一見ひとつの水晶でありながら、 実は右と左という向きの違う水晶がひとつになっているのが ブラジル式双晶です。 右と左とがどのように混じっているかというのが上の図の右側です。 これはブラジル式双晶を横にスライスしたものの図で、 黄色ところが右か左いずれかで(つまり、この部分は双晶ではない)、 紫色のところが、右と左が交互に年輪のように重なっていることを表しています。 さては、この年輪状態が横筋を作っているのかと思ったら、 どうやら、レムリアンの横筋面は図の黄色い部分になるようです。 ともあれ、一面おきに筋が現れる謎は、ブラジル式双晶で考えるのが 一番ぴったり来るのですが、 レムリアンシードには、ブラジル式双晶特有の面が無いんですよねえ……。 困った。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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