2006/10/02(月)22:13
人工ガーデン・クォーツ上陸!
さてさて、ミネラルショーといえば、もちろん石の戦利品。
そして忘れてはならないのが形のない戦利品、すなわち情報です。
ミネラルショーは、お宝ゲットの勝負の場であると同時に、
普段はなかなか見ることができない石を見、お店の人の話を聞く、
学びの場でもあるのです。
このたびの形のない戦利品は2つ。
ひとつは、「人工ガーデンクォーツ」です。
6月の新宿ショー直前の「ミネラルショーのお買い物心得」でちょっとふれたように、
ブラジルでは、丸いドーム状に磨いた水晶の底にドリルで穴を空け、
鉱物の粉を詰めて蓋をした人工ガーデンが作られているといいます。
それとはちょっと方法が違うようですが、明らかに人工的に手を加えたと思われる
ガーデンクォーツを見かけました。
形はドーム状の水晶。
その「ガーデン」の様子は……何と描写すればいいのでしょう。
普通のガーデンクォーツのように、あまりモコモコしていません。
中は比較的なめらかで、筋状の盛り上がりがあり、
中に何かの結晶が入っているように見える物もありました。
色は酸化鉄系の、妙に押しの強い濃い色。
何よりあやしいのは、底が何かの練り物でふさがれていることです。
ふつう、この手のガーデンクォーツは、ガーデンの部分が大きくえぐれていても
そのままにされています。
ガーデン部分を見る限り、大きくえぐれているようでもないのに、
底がふさがれているというのは、いかにもあやしい。
人工的に手を加えられた可能性大です。
百歩譲って手を加えていないとしても、
練り物の色が石の景色に影響を与えているのは間違いがありません。
ガーデンクォーツで、あやしいと思ったら底(裏)を確認してみましょう。
もうひとつは、レインボー・カルシリカです。
今回のミネラルショーで「ドラゴンブラッド・シリカ」なるルースを見ました。
このネーミングがお店オリジナルなのかどうかまではわかりませんでいたが、
クリソコラ、マラカイト、アズライトが混じった青~緑の中に、
キュープライト(赤銅鉱)の赤が混じった石です。
混じっている石はずべて銅の鉱物なのに、片や赤、片や青や緑というのが面白く、
なかなか華やかな色合いです。
しかしながら、天然の常で青・緑・赤がきれいに発色して
バランス良く入っている石は少ないのだそうです。
そこで、その代わりに作られたのが、レインボー・カルシリカだというのです。
「レインボーカルシリカ」で検索すると、
「近年メキシコで発見されたユニークな模様の天然石である」という情報が出てきます。
丁寧に「自然の力で作られた」と書いてあるところもあります。
ところが「Rainbow Calsilica」で検索すると様相は一変します。
検索のトップに、レインボー・カルシリカから顔料やプラスチック樹脂が検出され、
人工の石であることが確認されたというような情報がばっちり出てきます。
日本でも、人工ではないか、あるいは工場の汚泥のような物が固まったものではないかという話が出ていましたが、
私が知る限りでは
(注:原石派なのでこのあたりの情報には疎いです。もしかしたら、有名な話なのかもしれません)
お店ではそう言う話を聞いたことはなく、
検索してもその情報が上位に出てこないのは、問題ではないでしょうか。
レインボー・カルシリカが人工石であるという話は、
2002年冬にアメリカのGIAで出ているようですが、
2003年以降でスピリチュアル系のお店で天然石扱いされているのを見た覚えが……。
そもそも綴りが「Rainbow Calsilica」ですから、
カタカナ表記するとすれば「レインボー・カルシリカ」でしょう。
それが「レインボーカル・シリカ」が多いのというのも
どこかの情報の伝言ゲーム的利用の可能性大。
きれいだからそれでいいのか、あまり出回っていないからかまわないのか。
どうも納得できないので、
今度どこかのお店でレインボー・カルシリカを見かけたら、
「これって天然の石なんですか~?」と
意地悪く質問してしまうかもしれません。