2007/10/06(土)00:15
マニアックなネーミング。
水晶の中に、まあるいつぶつぶ。
ギラライト入りの水晶のルースです。
パライバ・トルマリンの産地である、ブラジル・パライバ州で産出されるため、
「パライバ・クォーツ」とも呼ばれています。
ギラライト入り水晶には2タイプあります。
ひとつは写真のように丸い粒に見える状態で内包されているもの。
もう一つは、短い繊維状のギラライトがファントム状に内包されているものです。
実は、粒状内包タイプには、もう一つ別名があります。
「メデューサ(メドゥーサ)・クォーツ」です。
この名前を見つけたのは、ヒーリング系のショップで、
ある種のクラゲに似ているために付けられた名前だと説明されていました。
そのクラゲの名前というのが、ミズクラゲとか、カツオノエボシのように、
よく知られたものではないようで、検索してもすぐには出てきません。
「こんなマイナーなクラゲの名前、誰が付けたんだ。
クラゲ学者でも近くにいたのか?」
だから、ヒーリング系のイメージ・ネームはややこしいんだ。
……と、勝手に文句を言っていたのですが、
ごめんなさい。思っていたよりもまじめな話みたいです。
こちら(海外サイト)に、
ギラライトと、似ているというクラゲの写真が出ています。
本当に、クラゲの分類学の人が「似ている!」とびっくりされたらしいです。
いや、事実は小説(じゃないけど)より奇なり。
丸い粒のどこがクラゲかといいますと、すべてはリンク先の写真を見てもらえばわかるのですが、
写真のギラライトが丸く見えるのは、上から見たときだけ。
横から見ると丸くなくて、気球のように伸びています。
そのようすがクラゲ。似ているような、いないような。
しかしながら、「メデューサ(メドゥーサ)」というのは、
似ているというクラゲの名前ではありません。
英語ではクラゲは「ゼリー・フィッシュ」といいますが、
一方でメデューサ(メドゥーサ)といわれるようなのです。
もうちょっと範囲を狭めると、海中をふわふわ泳いでいる段階のクラゲのことだそうです。
つまり「ナントカ・クラゲ」という名前があったら「~クラゲ」にあたる部分。
せっかく、そっくりさんがいるのに意味がない……?
さて、写真の石は小さなルースですが、丸い粒がはっきりしていて、
しかも2色であるところがポイント。
ギラライト入り水晶は、最初はルースしか出回らなくて、
原石好きさんをやきもきさせました。
近頃ポリッシュのポイントや、クラスターをわずかに見かけるようになりました。
一方ですでに閉山したという話もあります。
閉山情報は、すぐに鵜呑みにするわけにはいきませんが
やっと原石が出回るようになったのか、
最後の残りが出回っているのか。さて……?