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2006/03/16(木)22:06

博士の愛した数式

映画・テレビ・本(29)

存在論。一言で現すとそんな表現の映画です。 数、数学の世界を哲学、自然の世界で表現している。 私は数学が最も嫌いな学問のひとつ。 かなり極端な 数字アレルギー。というのも中学のときに嫌いな 先生が理科と数学を担当していたという理由でそのまま嫌いになってしまったのです。先日のSPI試験でも時速を割り出す計算を忘れてしまったほど だったのですが。でも、この映画はそういったものを払拭させるような きっかけになりそうです(笑)。 この映画は 数学という世界を 哲学的 そして自然科学というか 人間とのつながりを 数で表現しています。 10年前、交通事故で1日80分しか記憶を保つことができない博士 が主人公。家政婦に雇われた深津えりとの出会いから、その息子との 出会い、つながり。人間と人間とのつながり、愛。 数式から 宇宙の法則、ひととひととの縁というか、 科学ではなく 宇宙の摂理というかそういったものに基づいて 表現しています。 原作者が相当数学のことを勉強しているのか、いろんな発見があって おもしろい。たとえばピタゴラスが発見した友愛数。 220という数字と、284の約数。220の約数を足すと248になり、 284の約数を足すと220になる。 こういったエピソードをまじえた数字を愛した博士の物語です。 数字に対して科学的で無機質というイメージを持っていた自分。 博士自身も「数学は 戦争に用いられ・・・」と表現しています。 でも、本質はそうではない、宇宙の摂理、無限、愛・・・。 そして博士の愛した数式とは・・・。 ネタをばらしてしまうと、ひとつの宇宙の世界、もうひとつの無限なる宇宙 それらを足して、1を足す、すると無になる。 ひとつの宇宙の世界と、無限に続く宇宙 自然の働き  矛盾するもの、 そこに1人の人間を足す すると無になる。 ひとりの人間が世界を変える ― と。 新たな発見、そして 温かい優しさ、ひととのつながり・・・ それらが表現された 映画です。 哲学的なことが好きな人にはたまらないんじゃないかな、 ぜひごらんください。

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