結婚して社宅に住みだして２ヶ月もすると、もう息苦しく感じ始めた。田舎でのびのび育ったからか？　早く「家」に住みたい！　と思うと、もういてもたってもいられない。

　実家母（通称：マミー）が、「家と土地を同時に買うと、ローンの金利に払う分が増えるから、まずは建物がタダでついてるような古家つきの土地を買って、土地を完済してお金を貯めてから家を建てなさい」と言われた。

　素直に従う。

　関東に土地勘がないので、どこらへんがいいところなのかがさっぱり分からない。適当に直感で、問い合わせのメールを出してみた。

　すると早速、ＦＡＸの山と電話攻勢。
不動産屋Ａさんが「いくつか物件を紹介したい」とおっしゃるので、「はい、喜んで！」と居酒屋店員のノリで事務所を訪ねた。

　がっ！！
「４０坪程度。建物評価０（ゼロ）の古家（要するに築２０年以上のもの）つき」って言ってるのに、
見せてくるのは、敷地２０坪の、しかも新築建売物件。
全然違ーーーーーうっ！　「次は古家？」と思いつつ、結局１日で３件も新築を見てしまった。
不動産屋Ａいわく「新婚さんだから新しい家をお勧めしたい」
勝手に決めるなーっ！古家がいいんじゃっ！
・・・さようなら。

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　Ｂ「いくつかお見せしたい物件が･･･」
　私「はい、喜んでっ！」

今度は古家つきだ。　が・・・
前の持ち主はどういう人だったんだろう･･･。
玄関を入ると･･･応接間というか大正時代風のダンスホール。二階には本格的な茶室。
ダンスホールですと？？　台所すっごく小さくて･･･ダンスホール･･･（－＿－；）
４０坪で５２００万。　いや～、それはさすがに･･･。
・・・さようなら。

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　Ｃ「いい物件が出たのでお見せしたい」
　私「はいっ！喜んでーっ！」

向かったはいいが、まだ売主が住んでいる。
「お、お邪魔します･･･。まあ、ご立派な玄関で･･･。素敵ですね・・・」
高く売りたくて家を褒める売主。
変な天狗のお面を見せられ、気を遣って微笑む私たち。
「よかったら付けるよ？」　「はあ・・・（いりません、絶対にっ！）」

注文住宅で、大事に住んでいらしたのが伝わるお家。　ただ築年数が２０年以下だから、売値に家の価格が乗ってくる。約８００万。

東南角地で日当たり抜群。リフォームして長く住みたい人なら、とってもいい物件だろう。
でも、私たちは１０年以内には壊す予定。だから、もっとボロくていいの。１０年もてば。
　私「家が良過ぎます。　もっとボロい家でいいです。」
　Ｃ「そんなこと言われたのは初めてです」
　私「すみません（－＿－；）」

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　気を取り直してネットで検索。
角地大好きの私の目に、三方道路の土地に建った家が飛び込んでくる。
伺った日はチラシをうった翌日だったらしく、他に３組ほどお客さんあり。

玄関をあける。広っ！　４畳半くらいある。無駄に広い･･･。

で、玄関をあがるといきなりタタミの六畳間＆４畳半
「この間取り･･･なんですか？」
「前に住んでた方が書道教室を」

玄関脇のリビングは、二重サッシ＆スポットライト
「スポットライト・・・？二重サッシ？」
「前に住んでいた方の息子さんのお嫁さんが、ここでピアノ教室を」

　この前はダンスホール。今度は書道教室にピアノ教室？
私たちは、何かそういうものに縁があるのか？

　やっぱり三方道路は魅力。日当たりもいいし･･･、えいっ！ここに決めちゃえ！
１週間後くらいには「買います」と返事していた。
何も調べもせずに。

　タタミをフローリングにし、壁紙を張り替えてもらい、ブロック塀を壊して駐車場に。
無事完成の、プチぼろい我が家。　じゃあ、あとはクーラーの取り付けね！


　業者さんがやってきた。
「ここにつけてください」と２階の部屋の壁を指差す。
「はい･･･　あれ？　････えーっと･･･」
「どうかしました？」
「壁が土地と水平ではないようで･･･。クーラーは、壁に水平につけますか？　それとも土地に水平につけますか？」

　Ｏｈ！ＮＯ～っ！！！
わざわざどっちに合わせるかと聞かれるほど歪んでます。てへ（＃＾＾＃）
いや、笑い事じゃない。

地震が来ませんように･･･。