英語辞典の最高峰といえば"The Oxford English Dictionary"(略してOED)を措いて他にありません。収録語数41万語以上、企画から完成(1928年)までに70年もの歳月が費やされたという桁外れの辞典です。厚さも桁外れで何と全部で20巻あります(下の写真を見て下さい)。英語学、英文学、英国史を学ぶ者には必携といわれています。
私は辞典・事典の類をランダムに読むという変な趣味があります(暇なときに限りますが)。OEDも学生の頃に図書館でランダムに見開いていました。いつか裕福になったらOED全巻と"Encyclopedia Britanica"全巻を買うのが当時の夢の一つでした。辞典・事典をランダムに見開く趣味は今でも健在なのですが、OEDのことは大学卒業後すっかり忘れていました。
ところが少し前にサイモン・ウィンチェスター著 「博士と狂人―世界最高の辞書OEDの誕生秘話」を読んでOEDのことを思い出しました。この本はOEDを企画したジェームズ・マレー博士と、最大の(そして謎の)協力者ウィリアム・マイナーを軸とした「OED編纂の物語」です。ネタばれになるので内容については書きませんが、この本を読んで辞典編纂の大変さを改めて再認識しました。