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テーマ:お勧めの本(7211)
カテゴリ:ミステリー小説
『戦場のコックたち』深緑野分 、東京創元社、初版2015年8月28日、2016年「このミステリーがすごい!」第2位、ミステリマガジン2016年版「ミステリが読みたい」第2位、『週刊文春』2015年ミステリーベスト10第3位。
時は1944年、第二次世界大戦のヨーロッパ戦線。アメリカ軍に所属するティムは、パラシュート歩兵連隊として、フランスのノルマンディー上陸作戦に参加した。ただし、コックとして料理をすることが優先される任務だ。 本書の特徴は、まず第一にミステリー小説である。ティムたちが行く先々で奇妙な事件が発生する。第一章ではバラシュートを集めている兵が二人いた。第二章では約3tの粉末卵、箱数にすれば600箱が盗まれた。第3章ではオランダの民家で待機している時、家の持ち主の夫妻が地下室で自殺をはかった。第4章ではベルギーでドイツ兵と対峙していた時、ディエゴが不気味な音を聞いた――ここまでのなぞ解きは、ティムのコック仲間のエドがおこなう。第4章では、「あっ」というようなことをティムが暴く。 第二に、戦争の悲惨さを描いている。学校では、第二次大戦は日独伊と連合国との戦いとして習う。しかし、実際には日本で生まれ育った人には、日本はアジア諸国を侵略したということは切り落とされ、アメリカと戦争をし負けたという、イメージが強い。本書はヨーロッパが舞台になっているため、主にドイツ軍と連合軍との戦いが描かれている。 戦争が終わり、ティムは故郷に帰ってきた。駅を降りると平和だった。僕らはこのために戦ったと思った。それなのに、この虚しさは何だ? と最後に、読者に問題を提起している。
http://bestbook.life.coocan.jp
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Last updated
2018.09.14 16:19:25
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