20数年前のハナシ。
初・東京の頃。
東京は、そばが美味いらしいナァ。
そこで、立ち喰いそば屋さんへ。
「たぬきそば、ちょうだい。」
「・・・・」
「(あいそなしやなぁ)」
「タヌキ!」
カウンターに、ドンと出されました。
やたら黒い汁の中にそば。
その上に、「テンカス」。
なんやこれ。
ハイカラ(そば)やん。
「いや、たぬきそば、頼んだんやけど・・・。」
「タヌキだよ。」
「いや、ちゃうがな、タヌキを・・・・」
「タヌキだよ!!」
言葉をかぶせるな!
ブチ切れそうになりましたが、ここはトーキョー。
まぁ、えぇかぁ。
仕方無しに、「ハイカラそば」を食べました。
今にして思えば、あの店員さん、大阪と東京の違いを分かって、「タヌキ」を主張していたんでしょう。
さて、その違いは?
大阪のきつねうどんと、東京のきつねうどん。
見かけは、ほぼ同じ。
ツユの色の濃さが違う。
味の濃さではありません。
共に油揚げが入っています。
大阪の油揚げ(お揚げさん)は、甘辛味。
東京は基本、醤油ベースで辛め。
東京のきつねそばは、大阪ではたぬきそば。
大阪には「きつねそば」なるモノは、無い。
大阪では「たぬきそば」と言います。
油揚げの入ったうどんは、「きつね」、そばが「たぬき」。
トッピングの違いでなく、麺の違い。
前述のもめた東京のたぬきそば(うどんも同じ)を、大阪ではハイカラうどんと呼ぶ。
大阪はうどん文化なので、ハイカラそばは無い。
トッピングは、揚げ玉(東京)。
大阪では、テンカス(テンプラのカス?)。
「カス」って表現が東京の方は、お気に召さないので「揚げ玉」。
大阪では、サービス品(無料)として置いている店もある。
さすがに「テンカスうどん」では、響きが良くないのか、「ハイカラうどん」と命名。
東京のそばは、更科そば。
大阪は、田舎(イナカ)そば。
東京にはムジナそば(うどん)がある。
油揚げと揚げ玉(テンカス)が入っている。
きつね(油揚げ)とたぬき(揚げ玉)の合体。
きつねとタヌキの上を行く、ムジナとは、なかなか「粋」なネーミング。
食は文化。
他人様の文化にケチをつけちゃぁ、大人気ない。
郷に入っては・・・・・。
よその文化を大いに楽しみましょう。
これぞ当店名物。純白に輝く、そばの旨み。丸巻御前そば(更科そば)(10本入)
どんぶり麺・きつねうどん・箱 [24袋入り]