ついでに
私には、妹もいてそいつは負けん気が強くて困ったやつだ小さい時から廻りの大人達からは『うわぁ~かわいい~!』な~んて、言われてちやほやされていた。私が妹を連れて面倒を見ていると、近所のちょっと上のお姉ちゃんからは、『ちょっと!本当にあんたの妹なの?』なんてよく言われていた。これって、どういう意味かわかるよね。実際、本当に妹はかわいかったと思う。ちやほやされて羨ましいとも思ったこともある。そんな妹も高校生になって、姉の私に楯突くほどの勢いが出てきた頃、私は、バリバリ暴走族とも間違うようなカブのバイクをたまたま乗りまわしていた。カブのバイクは、親父が乗ってたもので、マフラーが壊れていて直してなっかた。すっごい爆音がして、その音が面白くて家の周りを何周もしていたら、学校から帰宅した妹が私に自分の自転車と競争をしようというのだ。夕方も随分暗くなったし、バイクに乗るのも飽きてきた頃だったし。 ひょんなことでオッケーする事になり、最初に自転車の妹が先にスタートした。 その後を追いかけるような感じで少し遅れて私は発進した。 ずぐ追いつくだろうと思ったけど、前には妹の姿が見えない。 変だと思ったけど、全速力でバイクを飛ばして、結局は私は妹に辿り着くこともなくて、家まで戻って来た。しかし、妹はいない。変だ!私は引き戻って見て来たけど、妹の姿が見当たらないのだ。両親に、妹がいなくなった事を伝えると、探しに行ってくれた。そうしたら、 暗闇の中から、妹の泣き声とジャリジャリという自転車を引きずっている姿が見えてきたのだ。私は、すかさず堀に落ちたんだと思った。そう思ったら、めちゃくちゃ可笑しくて、もう~キャーキャーいって、腹を抱えて、飛び跳ねて、一生分の大笑いをした。妹は、無謀にバイクに勝とうしたのかと思うと、可笑しいし、ずぶ濡れの妹が可笑しくて、笑った笑った。笑ってばかりの私は、『怪我はなかったか?』と最初に声を掛けてやれない、ポンクラな姉だった。