宵桜殺人事件~宵桜殺人事件~ 【胡蝶蘭殺人事件】所収季節は春… キャサリンと浜口一郎は、夜桜見物に円山公園を訪れた そこで、かき集められた桜の花びらに埋もれた女性の死体を発見する その女性は、桜の花びらを握りしめていた キャサリンが興味本位で手に取ると 『か・さ・ま・こ・た・お』 と、花びらに一文字ずつ書かれていた キャサリンは、ダイイングメッセージと睨み、色々と文字を並び替えてみるのだった 翌日、殺された女性の身元が判明した 銀行に勤める尾高鮎子で、死因は農薬による毒死 実家は仁和寺近くの旧家である 事件に興味を持ったキャサリンは、浜口の制止も聞かず、尾高家隣りの下宿宿に住み込み始める 色々な聞き込みの結果、当主の尾高雅文は病床の身で入院中、亡くなった鮎子は三女で、麻沙子と真央という二人の姉がいるが、三人とも血が繋がっていないことが判る さらに、後妻の正子と秘書の岡田は不倫関係にあるらしく、1つの屋敷のなかで渦巻く入り乱れた人間関係が浮かび上がってくる 殺された鮎子自身、職場先の小坂次郎と不倫関係にあったらしく、なかなか容疑者は絞れない 花びらのダイイングメッセージに当てはまるのは 後妻 尾高正子(おたかまさこ) 長女 尾高麻沙子(おたかまさこ) 尾高家家政婦 定岡こま(さたおかこま) 不倫相手の妻 小坂玉緒(こさかたまお) の4人 この中に犯人はいるのだろうか… 事件が進展を見せないなか新たな犠牲者が出てしまう 雅文の孫の尾高隆夫で、何者かに毒殺されてしまう キャサリンは、莫大な財産をめぐる連続殺人と睨むが… ~感想~ 桜の花びらに、ダイイングメッセージ… 山村美紗氏らしい華やかな発想 こういうの好き! 6枚の花びらに書かれたダイイングメッセージに当てはまる人物が、事件の関係者に沢山いるだなんて、かなりのご都合主義だが、そんな事を言っていたら話にならないので、ここでは突っ込まないのが賢明 最後に、ダイイングメッセージの謎が明かされるのだが、それなら『最初から花びらを入念に調べなさい!』と思わず、ここではさすがに突っ込んでしまった そんな重箱の隅を突つきたくなるような、突っ込み満載な作品だったが、物語の主軸となる花びらの謎の展開は、興味をつよく惹かせるのだった という事で、私的評価は星【★★★☆☆】3つです ◆この原作のドラマ化作品◆ ありません |