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あゝ平凡なる我が人生に幸あれ

京都西陣殺人事件

京都西陣殺人事件~京都西陣殺人事件~


キャサリンは、京都へ向かう新幹線の車中で、建築デザイナーの栗田麻子と出会う
すっかり意気投合した二人は、京都の古い建物を見学する為、キャサリンの恋人の浜口一郎のコネで、250年の歴史を誇る西陣の小林邸へと向かう
その夜、小林家の主の総左衛門の招きで祇園のお茶屋へと繰り出す一行だったが、翌日、お座敷に出ていた市花という芸妓が殺されたことを知る
死体が握り締めていた匂い袋は総左衛門の後妻の加代のものだった
市花と総左衛門の仲を薄々感じ取っていたキャサリン

果たして、嫉妬に狂った加代が、思い余って愛人の市花を殺してしまったのだろうか?
疑いの目は加代に向けられたが、彼女は密室状態の茶室で服毒死体となって発見されてしまう
総左衛門への遺書を残して…

西陣にある広大な屋敷をめぐり、莫大な財産を狙った連続殺人か?
財産を当てにしている一人息子の和彦、不審な動きをする小林家家政婦のその…

乗りかかった船と言わんばかりに、事件に首を突っ込むキャサリンだったが、真相を追ううちに事件は意外な方向へと向かっていった…



~感想~
ドラマを見てから、本作品を読んだのだが、あまりにもドラマの内容が良かっただけに、小説の展開とのギャップの差に戸惑ってしまった
それでも、ドラマの中でのセリフと同じ文面が散りばめられ(原作だから当たり前か)面白く読んだ
でも、ラストの展開は小説よりドラマの方が良かったなぁ…

という事で、私的評価は星【★★★☆☆】3つです



◆この原作のドラマ化作品◆
昭和63年11月26日放送
土曜ワイド劇場
『京都西陣殺人事件・匂い袋の謎と茶室の密室トリック・“一条戻り橋で…”』
出演/町村佐知子…岡江久美子/狩矢警部…山城新伍/小林和彦…田村亮/栗田麻子…金沢碧/小林総左衛門…神山繁/小林加代…松居一代/その…山村紅葉/市花…斎藤絵里/橋口警部補…伊庭剛/福菊…松村康世 ほか


…タイトル前のナレーション
『能衣裳、歌舞伎衣裳、さらには花嫁の打ち掛けと、日本を代表する織物はここで織られているのです。その西陣の金糸銀糸が彩なす錦の陰で思いもかけない連続殺人が起こったのです』


…ドラマの内容
哲学の小径で洒落たペーパーアート『風の館』を経営する佐知子は、東京で知り合った建築デザイナーの麻子が、京都の建築物を学びたいとの申し出を引き受け、大学の先輩で西陣に居を構える和彦の邸を紹介する
屋敷への訪問後、小林家の主の総左衛門に祇園のお茶屋へと誘われた佐知子と麻子
その座敷にいた芸妓の市花は総左衛門の愛人と二人は直感で感じた

翌日、市花が自宅で何者かに絞殺されてしまう
手には匂い袋が握りしめられていた
それは、総左衛門の後妻・加代のものと似ていた
疑いの目は加代に向けられるが、彼女もまた、密室状態の茶室で服毒死体となって発見されてしまう
犯人の目的は莫大な財産か?
相続人である、総左衛門の子供を妊娠していた愛人の芸妓、親子関係がうまくいっていなかった後妻と次々と死亡し、一人息子の和彦に嫌疑がかかるが…


…ドラマの感想
山村美紗氏の小説を愛読するようになって、初めて見たドラマ作品
出演者・物語・音楽・映像のすべてが山村美紗氏の世界に嵌っていて、一番のお気に入り
原作とは基本的に流れは変わらず、殺人の動機が変更されているが、うまく脚色されていて、大抵ドラマ化されると作風が損なわれて失望するのだが、この作品は、珍しく小説よりドラマの筋運びの方が良かった

この作品が、山村美紗氏の映像化作品で一番の視聴率を取ったのも頷けるような気がする




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