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あゝ平凡なる我が人生に幸あれ

時代祭に人が死ぬ

京都の祭りに人が死ぬ~時代祭に人が死ぬ~   【京都の祭に人が死ぬ】所収


京都の三大祭りのひとつである時代祭のテレビ中継に、推理作家の矢村麻沙子はゲスト出演した
御所の庭に設えた席からの生中継で、出演者は、番組進行役である鳥井アナウンサー、歴史学者の上田達也、そして麻沙子の3人である
昼の12時から放送は始まった
歴史などの専門分野は鳥井や上田に任せ、麻沙子は自分のわかる範囲内で話を進め、番組は和やかに進行していた

いよいよ、祭りの行列の先頭が見えて、馬車に乗って先陣を行く市長が放送席を過ぎたときだった
突然爆発音がしたのだ
眼前は濛々と煙が立ち上っている
暫し、麻沙子は呆然としていたが、倒れている馬や馬車の残骸などを見て、市長が爆殺されたことを察する
警察も到着し、混乱する現場…
時代祭は中止されるかと思いきや、様々な討議が行われた結果、続行が決まる

番組の放送も何事もなかったかのように、祭の中継が続けられ、小野小町、清少納言、紫式部、静御前、巴御前、吉野太夫、淀君…きらびやかな平安朝の衣裳に身を包んだ美しい女性たちの列を前に、麻沙子が平安朝婦人列の解説に務めていたときだった…
放送席の前を通り過ぎた、静御前に扮した女性が突然倒れてしまったのだ
静御前を取り囲んだ野次馬たちから『死んでいる!』などの叫び声が聞こえ、麻沙子は放送席を飛び出し、現場へと向かった…

市長爆殺と静御前の死、雅な時代祭で起きた二つの死に秘められた事件の真相とは…



~感想~
短編作品ではもったいない、スケールの内容の話
しかし、短編な為に、犯人は早々と浮かび上がり、事件はあっけなく解決されてしまう
物語の始まりが衝撃的だけに、後半と謎解きの部分の尻すぼみ感が否めないのが残念
この作品は、どうやって鍵のかかっている扉を開けたか?という南京錠のトリックがメインになっているが、分かってみると、なんてことのないトリックだった

という事で、私的評価は星【★★★☆☆】3つです



◆この原作のドラマ化作品◆
ありません




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