介護のこと
たまに実家に帰ると…いろんな問題があることに気付いた。「まさか…うちが?」まさしくわが両親のところにこんな問題が沸き起こるとは考えてもいなかった。去年の夏の初め、熱中症で体調を崩し夏の間中油断できない状態が続いた。食事もろくに食べることができず特別な栄養剤を処方される始末…何とか乗り切れた。そんな矢先…父の入院中に 母の弟、叔父が他界した。長年がんを患い 放射線治療も限界だったのだろう。緊急入院してひと月足らず。何度も「峠でしょう」と医師に告げられながらそのたびに母を乗せて車を走らせた。その日から母を一人にできなくなった。たった一人の肉親を失った母の心はぽっかり穴が開いてしまった。「寂しい…」力なくつぶやく。それまで以上に意欲が薄れていくような気配を感じた。そうこうするうち、はっきりと気付いた。一緒に生活してみて初めて認識した。単なる「物忘れ ど忘れ」ではないと…認知症の始まり…いろいろ検索した。否定できる材料がほしくて…限りなくグレーゾーン妹に相談した。もちろんショックは大きかった。心の準備をする時期だよと互いに慰めあった。そうこうするうちまた夏がやってきた。またしても熱中症で…脱水症状今年は去年よりもっと体調悪く何も喉を通らないと言ってまったく食べなくなった。仕方なく強制入院させた。栄養状態も落ち着いて退院してきたもののまたしても食欲がないと言って食べてくれない。これから長期戦になりそうだ。私自身が生きるのに疲れてしまったのに介護の現実に向き合うことができるんだろうか。まだまだ不安との戦い。