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カテゴリ:安全な食材ー調味料編
塩について
なぜ今の塩はサラサラなのでしょうか? 私たちの子供の頃の塩は、粒子も今より少し大きくてしっとりしていたように思います。。 卓上の塩入れの中には、湿気防止の為に「炒り米」が入っていました。 それ程湿気やすかったのです。 塩の中のにがりには、水分を吸収するという成分があります。 しかし現在の塩には、そのような心配はほとんどなくなっています。 なぜかといえば、現在の塩には苦汁(にがり)がほとんどなくなっています。 日本には岩塩や天然のかんすいがほとんど無いため、昔から塩は海水から取る方法が取られてきました。 昔から「海水はのんではいけない」といわれていますが、それは、海水に苦汁が多いために、腎臓を硬化させたり、胃や腸の粘膜組織に損傷を与えることになります。 そのために昔から、海水から水分を取り除くとともに、過剰な苦汁を取り除く方法を考えてきたのです。 昭和46年に「塩業近代化臨時措置法」という法律がつくられ、従来の流下式塩田は全面廃止になり、イオン交換樹脂膜製塩法に変わりました。 この製法は、海水層の中に陽・陰イオン交換樹脂膜を交互に入れ、両端から直流電気を流し、ナトリウムと塩素を結合させ、それによって塩化ナトリウムが99%以上、特級精製塩にいたっては 99.8%以上という純度の高い塩をつくっています。 要は苦汁のほとんどは除去されたことになります。 しかし、苦汁は不要なのかというと、そういうわけではありません。 塩というのは、エンカナトリウムを中心として、塩化マグネシウム、硫酸カルシウムなどの稀有元素まで含めて、100種以上のミネラルを含んでいます。 そいて、塩化ナトリウム以外の物質を総称して苦汁とよんでいます。 従来の塩は、製法によって違いますが、この苦汁が10~20%は含まれていました。 そのことによって、湿気を吸いやすいという生産上の欠点はありますが、特有の風味があったのです。 イオン交換法になってからは、「漬物や梅干が美味しく漬からない」とか「塩辛いだけで、味に丸みがなくなった」とかの、消費者の苦情が聞かれるようになったのです。 塩も精製され過ぎたように思われます。 「いかに安く」、「いかに大量に」、「いかに早く」、「いかに効率よく」、国民に供給することが出来るか、のみを追求した結果のことです。 今日では、昔ながらの製法が見直されてきました。 塩の種類もさまざま販売されています。 天然製法で、適度に苦汁の入った塩を選ぶことはとても大切なことです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007.06.15 09:41:05
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