坂の途中のベンチ
神戸は、前に海が広がり後ろに六甲山系の山を背負った、横に細長い地形です。海から山の方向に向かうにしたがい、だんだん斜面が急になっていきます。ですから山側の住宅街は坂が多くなっています。神戸もご多分にもれず高齢化が進んでいますが、私の住んでいる水道筋界隈はとくにお年寄りが目立ちます。商店街で賑わう水道筋は、毎日12000人の買い物客が行き交うと言われています。坂の上のお年寄りの方々も毎日買い物に来るのが日課です。来るときはまだ下り坂だからよいのですが、帰りは買い物の荷物を持った上に坂を登らなければなりません。そこで、私のマンションの横のアーケードの坂の途中には、休憩用のベンチが備えてあります。そこはいつもお年寄りの買い物帰りの方が、休憩されていて賑やかな話声が聞こえてきます。ちょっとした心遣いが、何とも言えない和やかな空間を生み出すんですね。