勘違い。残念。【タイの日々 Part 443】
高校時代に、耳が不自由な親友がいました。彼から、カラオケに行こうと誘われました。当時、(今でも)カラオケは、あまり好きではなかったものの、行くことにしました。そして、彼の歌を聴いてびっくりしました。あまりにも音程が外れていたので、笑ってしまいました。ひどいことをしたのかもしれません。一方で、笑いをこらえる方が失礼になるのかもしれません。乙武氏によると、同じ行為でも、一人一人、受け止め方が違うので、配慮しなければならないそうです。自分たちの場合は、笑ったくらいで信頼関係が崩れることはありませんでした。以前、ラオスのルアンパバンからファイサイまで一泊二日、スピードボート+バスという組み合わせで、旅をしたことがあります。そのスピードボートが極端に危なかったのです。木造のおんぼろボートなのに、やたらと飛ばすのです。メコン川には、水面から岩が突出しているところもあります。そこを平気でスラロームしていくのです。もし、川に落ちたら、溺れるのではなく、水面を体が、2,30回転するくらいの勢いでした。ボートの側面が低いため、振動の度に、おしりが浮き上がり、気がおかしくなりそうでした。そのスピードボート、乗客は、ラオス人4人くらいと、私とドイツ人[高齢者・男性]でした。辺鄙な村で降ろされ、私とドイツ人は、取り残されました。その高齢ドイツ人が、耳が不自由だったのです。まだ、スマホが普及していない時代です。彼がジェスチャーや筆談で旅をしている姿に勇気をもらいました。その日[恐怖のスピードボートに乗った日]の夜、粗末なテーブルの上に紙とペンを置いて、夜遅くまで会話を楽しみました。と、いうことで、耳が不自由な人には、親切にしたいという気持ちがありました。日本語科の生徒の中に、補聴器(?)をしている生徒がいました。彼には、ささやかながら配慮をしました。最近の補聴器は、目立たない物からオシャレな物へと変わったんだなーと、思いました。ところが、彼がしていたのは、補聴器[医療機器]ではなく、ワイヤレスイヤホンだったのです。そんな物があるとは、しりませんでした。彼にとっても、「どうして全く授業を聞いてないのに、この先生、優しくしてくれるのだろう」と,思ったかもしれません。その後、オンライン授業に変わりました。彼は、全く聞くことなく、無事、卒業しました。