雨がしずかに降る日には

2007/06/01(金)00:54

「切に生きる」

うつとこころ(292)

「切に生きる」 カウンセラーさんが教えてくれた言葉です。 「切」って一体なんだろう、と思いながらも心に深く響きました。 人間というのは、そのひとのそのときに出会う言葉が必ずあるように思うのです。 一人一人、それぞれの言葉が。ふと目に留まる。 そのカウンセラーさんは美術館で古い書物に「切」という文字が目に飛び込きたのだそうです。 調べてみると「切」とは、 ひたすら・しきりに・差し迫る・まこと・大事なこと・強く・おさえる・すり磨くこと・すべて と、意味がたくさんありました。 「強く」という意味がありながら「おさえる」とも言う。 不思議な言葉です。 「切に生きる」とは、道元という僧侶の言葉で、仏教の中によく出てくる言葉だそうです。 「はかない人生を送ってはならない。切に生きよ」 道元は死の床でそう最期の言葉を残したとか。 誰にでも死は必ず訪れる。 けれども、切に、切に、ひたすらに一瞬一瞬を大切に精一杯生きていけば いつか訪れる死というものも、決して悲しみだけではなくなるのではないでしょうか。 ひたむきに、ひたすらに、強さを持って精一杯生きる。 究極の幸福な生き方のように思います。 切に生きてゆけば、後悔とは無縁となり生きることの喜びをいつも感じることが出来るのかもしれない。 そして一番大切なことは、今、生きているということ。 生きているから無限の・・・いえ、限りはあるかもしれない。けれど、自分の持っている力で 可能性に立ち向かうことができる。 「切に生きる」ということの、私にとっての本当の意味を考えてゆきたいと思いました。

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