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aituに乾杯

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おもひでぽろぽろ

2019.07.22
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カテゴリ:おもひでぽろぽろ

                                                                              
人類が初めて月面に足跡を残してから
ちょうど50年になるという

アポロ11号の月着陸船イーグルが降り立った「静かの海」は
月で餅つきをするうさぎさんのちょうど顔の辺りになるらしい

あれは7月 夏の頃だったのに
不思議なもので
月を仰ぎ見てあの興奮を思い出すのは
なぜか寒い冬の月の方が多い

そのころ
真空管のラジオを組み立てたり
アマチュア無線を始めていた高校入りたての僕には
その後の自分の進む道にも大きく影響されたように思う

あれから
月と地球の距離はさほど変わらないはずなのに
長い歳月は
ずいぶんと月を遠ざけたような気がする
餅つきをするうさぎさんの姿も消えてしまった

次の50年は
漆黒の闇に青く浮かぶ地球を眺めているのだろうか
人生100年時代
まかり間違って奇跡的に100年ともう少し生き延びたとしたら
月に向かう船の排出口から宇宙に散骨してもらいたいものだ
本当の故郷に
 






最終更新日  2019.07.22 10:36:45


2019.06.28
カテゴリ:おもひでぽろぽろ

                                                                              
NHKでマッサンのドラマが流行ったころは
ウィスキーがよく売れたらしい
ウィスキー造りには途方もない時間が必要だ
樽の中で熟成する時間をグラスに注いで
ちびりちびりと飲むようなもんだ
だから心して飲まねばならない
決してラッパ飲みなど下品な飲み方をしてはいけない
(よく言うよ!お前が言うか~?だ)
ワンフィンガーだろうがツーフィンガーだろうが
ひと口含むだけで
胸の中が夕焼けになったあの頃を忘れまいぞ!
(駅のベンチで朝焼けを迎えた奴がまだ言うか!)







最終更新日  2019.07.06 21:10:37
2019.06.06
カテゴリ:おもひでぽろぽろ

                                                                              
また一軒
ケーキ屋さんが店じまいした

子供が生まれたときから
何かと祝いのときには必ずその店でケーキを注文した
ご夫婦でこじんまりと それでも気の利いた愛想のよい店で
日用品の店のようにはそんなに顔も出さないのに
子供らの名前もよく覚えていらした

その子供のいくつ目かのある誕生日にいつものように
ケーキを買って帰った
ろうそくはいつもサービスで付けてくれるのだけれど
その時は中にそうそくが入っていなかった
電話をするとどうやら入れ忘れたらしい
すぐにお届けしますと 奥さんは自転車で走って来られた
別に持ってきてほしいとは言わなかったのだけど
ただ
家じゅうを探したけれどろうそくは一本もなくて
誕生日祝いにろうそくがなかったら味気ないもんですね
とだけ言いたかったのだけれど
結果的に持って来させたようなもんだと
嫁はんに言われた

商店街の豆腐屋もなくなった
かかりつけの近所の医院も先生が老齢で後継ぎもなく閉院となり
他の医院を紹介された
散髪屋も同様 和菓子屋 自転車屋も同様

街では
これでもかというくらいあちこちにコンビニが乱立し
郊外では田んぼをつぶして大きな商業施設が建つ
そしてこのごろはどこの店に行っても
ポイントカードや専用のpayカードの時代
一軒のクリーニング屋で初めて洗濯に出そうものなら
会員カードやら
財布がパンパンになるほどの割引券やらお徳用シールやらをいただく

ケーキ屋さんが
自転車を走らせてろうそくを届ける時代は
吹き消したろうそくの火のように
あっというまに消えていくのだろう
 






最終更新日  2019.06.06 06:00:10
2019.05.25
カテゴリ:おもひでぽろぽろ



                                                                                      
そんなに
昔のことではないのに
なぜだか
鎌倉時代の古文書でも見るような気がした

父の小学校の卒業写真と卒業証書が
田舎の生家の納戸の奥から出てきたと
今住んでいるいとこから連絡があった

鎌倉時代と違って今は便利な世の中で
当の写真を送らなくても
スマホで写真に撮って一瞬のうちに送ることができる

別に特別感慨に耽ることもない
自分の卒業写真や婚礼写真といっしょで
ほとんど見直すこともなく
ああそんな時代もあったんだと思うくらいだ

でも
このころの父はすでに父親を病気で亡くしている
他に男の兄弟はなく姉妹だけで
稲作には不向きなシラス台地で主にサツマイモや大根や煙草を育て
貧しい家計を支えていたと聞く
卒業するその小さな胸に
どんな思いが去来したのだろう

もっとも父は大きな声でよく笑う人だった
当時は当然のようにその日その日を闊達に生きていたのかもしれない
僕が小学校に入るころ
高度成長に合わせてみながみな
田舎の生活に見切りをつけて都会に出稼ぎに出た
小さいころはよく父にどつかれたけれど
盆と正月に帰省してくる父が待ち遠しくて仕方なかった

あれっ!
なんだか気が付くと
鎌倉時代の古文書のようなものは
自分自身の思い出にすり替わっている

学校の歴史のテストに
なんでこんな古臭いもんを勉強せなあかんの?
とぼやいていたクラスメートがいた

彼も同じく今頃は還暦を過ぎている
その歴史の意義に彼ももうそろそろ気付くころだろうか?
 






最終更新日  2019.05.25 12:30:02
2019.05.18
カテゴリ:おもひでぽろぽろ

                                                                              
履歴書が売れているという
働き口を求める時にはたいがい履歴書を用意する

娘が学生のころ
アルバイトの面接に行くのに履歴書の前で
うんうんとうなっていた
社会面に載るような顔写真を履歴書に貼って
志望動機の前でペンが止まっている

たかがアルバイトじゃねえか
なんでそこにしたん?
近いから と
じゃあ そう書いたらいいやん

結局 長々と作り話のような動機を書いて
最後に 楽しく明るく働きたいですと結んでいた
少しノー天気なところもある娘らしい
俺が面接官やったら 最後の一行で十分やと言ってやった

近所のスーパーの中にある売場の店員の募集で
店の隅の小さなテーブルで面接はあり
動機どころか「大きな声が出ますか?」と訊かれたそうな
はははは

それよりも
店内の超忙しい雰囲気に圧倒されて
私には無理かなあと言って帰って来た

松本清張の推理小説ではない
動機ももちろん大事かもしれないけれど
何事もやってみなくてはわからない
内に入ってみると 無理と思っていたものが
なあ~んだと思うこともよくある

なんやかやと結局
二年ほどそこで働くことに
ときおりチョンボもあったらしいけれど
楽しく明るく働くことができたらしい
 






最終更新日  2019.05.18 10:04:17
2019.05.02
カテゴリ:おもひでぽろぽろ

                                                                              
幼いころの父の背中は
誰もみな大きく見えるものだと思う

小学校に入ったころの夏の海だったか
僕は浦島太郎のように
父の背中に乗せられて沖に出たことがある

「しっかり つかまっとけ!」

もちろん田舎言葉で言ったのだけど
父は僕を背中に乗せて平泳ぎで沖に泳ぎ出した
しっかりつかまっとけ と言われても
父の背中はつるつるとして肩さえつかめない
そのうち父はどんどん沖に出て
父の肩越しに見える海の色でその深さが想像できた

ときおり波もかぶり
さらに怖さが増してくる
僕は必死で父の首にしがみついた
あのときほど
父の背中が大きく見えたことはなかった


それから
幾十年も時は過ぎ
父と母を温泉に連れて行ったことがある
医者から受けた告知は父には内緒にして
全快祝いだとウソを通して四国の温泉に連れ出した
最後の温泉旅行だった
効能書きのいっぱい書かれた温泉に浸かり
父の背中を流した
あのときほど
父の背中が小さく見えたことはなかった
 






最終更新日  2019.05.02 06:00:06
2019.04.20
カテゴリ:おもひでぽろぽろ

                                                                              
今日はほんとにいい天気だったあ!



京都府八幡市にある石清水八幡宮の清掃ボランティアに参加してきた
毎回100人から200人ほどの参加者
 


男山の山上にある本殿を中心に 六班に分かれてのクリーン活動
朝十時から一時間ちょっと
あとの本殿参拝と本殿の中の神官による案内がみなの楽しみ


 
 
                                                                             
最後に頂上の展望台から京都市内を見渡す
真正面に平安京の鬼門にあたる比叡山
その裏鬼門にあたるのがここ石清水八幡宮
小さく京都御所の緑や京都タワーが見える

今日は偶然にも 清掃活動のころ
本殿では
天皇陛下の御譲位にかかる諸儀式の御安泰を祈念すべく
「天皇陛下御譲位御安泰祈願祭」が執り行われている最中だという話が
神職の方からあった

今日の
めったにないこの日本晴れは
我々の日頃の行いの良いせいではなかったのだと
うしろの人たちが笑いながら語り合っていた

短かったけれど
まことになごやかな令和に向かういい日旅立ちであった
 







最終更新日  2019.04.21 23:43:30
2019.04.18
カテゴリ:おもひでぽろぽろ

                                                                              
過ぎ去りし日が
昨日のことのように思える花がある

花木の存在を存在たらしめるのは
たいがいその花が咲いたときだけというのが多い
あとは忘れてしまっているに等しい
季語にないものは無視される歳時記に似ている
忘れてしまっているからこそ
年月の経過をあらためて自覚させてくれるのかもしれない

下の娘が生まれたのは
予定日より早くて僕はあわてて仕事先から
妻のいる産院へ駆けつけた
その産院の長い廊下の向こうに
まだヨチヨチ歩きの上の娘がいて
僕を見つけるとうれしそうに
パパ~と叫びながら走ってくる
(2,3歳ころまではパパと呼ばれていた あとはおとうさん)
その走り方が今にも転びそうで危なっかしくて
走らんでいいよと言ったけれど
彼女は両手を上げて廊下を走ってくると
しゃがんだ僕の胸に飛び込んだ
僕はおねえちゃんになる彼女の両脇をかかえて
高々と抱き上げた

この時に生まれた下の娘が小学校の下級生のころ
運動会のかけっこで一番になるのだと
よく夕方の公園でいっしょに練習をした
その娘が運動会のかけっこで一番になったとき
彼女はそのままグラウンドを横切って 応援席の僕の所まで走ってきた
走りながら僕の胸に飛び込んだ
僕は彼女の両脇をかかえてぐるぐると回った

産院の庭に 校庭のまわりに 咲く花があった

なんの花とは言わなくても
人それぞれの人生には
さまざまのこと思い出す 花がある
その存在を存在たらしめるのは
やはり命を輝かして開花したときだ
 







最終更新日  2019.04.18 06:00:10
2019.04.12
カテゴリ:おもひでぽろぽろ

                                                                              
上の娘が京都の大学に入った年の春


「行ってきまぁ~す」

入学式をすませたばかりのある日の午後
鏡台の前で妹に髪をアップに結ってもらい
春のにぎにぎしい会話を玄関先に残し うきうきとした様子で出かけて行った
大学で入ったサークルの人たちと二条城でお花見だと

なんのサークルに入ったん?
 
妻に訊くと 茶道部だと
ええっ! あいつが茶道部?
茶道といえば畳にきちんと正座して
あのかきまわしてお茶をいただくやつ?
信じられな~い
三年前の高校のときには女子柔道部だった
あの華奢な身体で柔道部?
その時も信じられなかったけれど今回もまた驚いた

大学で着物に着替えて行くらしい
聞くところによると 着物姿の人は無料で入れるらしい
まさかそれが目的で入ったわけでもないだろうけれど
着物でも着れば少しはおてんばもましになるか
もっとも 柔道も茶道も 礼に始まり礼に終わる
似てなくもない なんて
無理やりこじつけの父親であった

この写真
そのちょうど一年前の春
家族で二条城の夜桜のライトアップを見に行ったときの写真
すごい人波だった
京都だけのことはあり 結構着物姿の人も多く見受けられた
その一年後に
七五三の時くらいしか着たことのない着物を着て
娘がここに来るとは夢にも思わなかった

でも ミニスカートをはくのとはわけが違う
着慣れないものを着て 出歩いて
せいぜい ぜぇぜぇ言いながら帰って来るのがおちだろう
茶道部に入ったことを後悔して帰って来るかもしれない
なんて思ったけれど
結局 四年間 彼女は茶道をたしなんだ
京都の名跡や有名どころでお茶会を催したり
お茶を通じていろんな人たちとつながったりして
後半には部長も努めて忙しそうだった
おかげで父親も多少 茶道のさの字くらいの手ほどきを受け
ちょっとしたお茶会に招待されたり
慣れない席に夫婦ふたりで出席することもあった

世の中わからないもんだ
娘が茶道部に入らなければ一生縁のないものだったかもしれない


 ヤマトナデシコ七変化

  ♪ 純情 愛情 過剰に異常
    あっちもこっちも恋せよ乙女 ♪

            小泉今日子
 






最終更新日  2019.04.12 06:00:06
2019.04.05
カテゴリ:おもひでぽろぽろ

                                                                              
近くの神社の神様

子供のころ
風の強い夜
庭の松の木の枝がときおり軒先をたたく
もくれんの葉が雨戸をさする
怖がって
弟とふとんにもぐり込むと
「風の神さまが来てなさる」
夜なべの縫ものの手を止めて母が言った
こんばんは とでも言いたげな母のやわらかな口調に
俺たちは安心して眠りについた

そうかと思うと
五右衛門風呂の風呂焚きをしながら
火遊びでもしようものなら
火の神さまが怒って 焼き殺さるっど!!
母は鬼のような顔をして怒鳴った

裏山で仲良しになった炭焼きのおじさんは
大きな窯のてっぺんからもくもくと立ち昇る白い煙を見ながら
山を大事にすれば山の神さまがご褒美をくれると言った
その頃の少年にはよくわからなかった
手伝ったお礼におじさんがくれた昼飯のおにぎりの方が
よっぽどのご褒美だった

その後の経済成長の時代
大人たちはみな都会に現金収入を求めて出稼ぎに出た
里山は荒れた
山の神さまもご褒美をくれなくなった
おじさんもいつの日か来なくなった
土の窯だけが草に覆われて残った

小さいころはあちこちにいたたくさんの神さまが
大人になるにつれどこかへ行ってしまった

どこに行きなさったのだろうと思っていたら
こんな所にゐなさった
 







最終更新日  2019.04.05 18:02:59
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