「グーグルマップ」の生みの親ジョン・ハンケの学生時代からの友人で同僚のビル・キルデイが、Keyhole社の立ち上げ、Googleによる企業買収、そして「グーグルマップ」が世界的な成功を得るまでの軌跡を描く。
本書は、前半(Googleに買収されるまで)と後半(Googleに買収されたあと)に分かれ、グーグルマップを支える技術の話はもちろんのこと、内部の人からしか見えないジョン・ハンケやGoogleの雰囲気が、筆者とジョン・ハンケ、Keyholeの個性豊かなチームメンバーとのやりとりなどを通じて、伝わってくる。また、Google創業者であるラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンとのやりとりや、マリッサ・メイヤーとの確執など、多くのエピソードが挟み込まれていて臨場感も満載。ジョン・ハンケが描いたビジョンからプロダクトが生まれ、成長し、Googleの元で世界中の人々に使われるようになった道のりは山あり谷ありで飽きさせない物語になっている。一方で、著者のビル・キルディが安定を求めるタイプで、起業やスタートアップに対して及び腰な姿勢なのも、ある意味、読者目線を代表する常識的な感覚で、親近感が感じられる1冊になっている。
本書は、倒産寸前の会社が描いた壮大な夢、世界を変えた地図、グーグルマップ誕生の軌跡が書かれた一冊。今や誰もが簡単に使うグーグルマップがどのように誕生し、世界を変えたのかは非常に興味深く読みました。グーグルアース、グーグルマップ、Ingress、ポケモンGOを作った、元キーホール、現Nianticのジョン・ハンケ率いる技術チームの話が書かれ、単なる成功物語ではなく、誕生までの過程の様々な現実問題を突破してきた軌跡は感動を覚えました。
【満足度】 ★★★★☆